こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
この記事では、
ミックスボイスといわれる低音から高音まで自由に発声する事ができる技術の習得方法について、
解説していきます。
では、よろしくお願いします^^
ミックスボイスとは?
ミックスボイスとは、低音から高音まで声が一本につながった状態のことです。
【参考音源:ミックスボイス】
音量注意!
歌うとこんなカンジです。
【参考音源1:ミックスで歌った例1】
※参考音源1はミックスを習得したころの音源なので、エコー多過ぎ注意。
【参考音源2:ミックスボイスで歌った例2】
※若干裏声よりのミックス
低音から高音まで切り替える操作を必要としないので、
高音にいっても力強さを失わない
地声と裏声の切り替えが目立たない
などのメリットがあります。
ここまでは皆さんよく知っていることだと思いますので、サクッと解説を終わりにして
さっそく習得方法に入ってきましょう。
パーツを分離しよう
まず、ミックスボイスを習得する前の一番最初の段階で、「発声に必要なパーツを分離する」事が重要だと考えています。
例えば、
唇
舌
顎
仮声帯(今は覚えなくてOK)
喉頭蓋(今は覚えなくてOK)
軟口蓋(今は覚えなくてOK)
地声系統の筋肉
裏声系統の筋肉
・・・etc
このように、発声に関係するパーツを全て一つ一つ丁寧にバラバラに動かせるようにしてゆくのです。
なぜなら、僕らの喉の中のパーツはごちゃごちゃに絡まっているからです。
例えば、開いた手のひらの中指だけを曲げたい!
と思っても、薬指などの他の指まで曲げてしまうことってありませんか?笑
僕は未だに中指だけ曲げるのが苦手です笑
それと同じように、喉の中でもこれと同じような事が起こっているのです。
唇の形がア・イ・ウ・エ・オと変わると、喉のポジションも一緒に動いてしまう
地声の筋肉だけを働かせたいのに、裏声の筋肉も一緒に動いてしまう
こんなふうに、僕らの喉は想像以上に不器用で、一つ一つのパーツだけを動かすことすら慣れていないのです。
ですから、まずはこれらのパーツを全てバラバラに動かせるようにパーツを整理整頓していきましょう。
とはいっても、これらのパーツの分離を全部解説するのは混乱を招くと思うので、今回は「地声と裏声を分ける」という一点に絞って解説していきますね。
パーツを強化しよう
次に、丁寧に分離したパーツの中で、まだ鍛えられるパーツが残っています。
しっかりと実践に使える形にしていくために、それぞれのパーツを鍛えていきましょう。
ここでも地声と裏声を鍛えることの一点に絞って解説していきます。
手順②では、分けた地声と裏声を鍛えていきます。
そもそも、地声と裏声の筋肉のバランスが悪いことが多いからです。
男性は、普段地声で話すので、地声が強くて裏声が弱い、、なんてことが多いですし、
女性は、普段から上品に話すので、裏声が強くて地声が弱い、、ということもあります。
ともかく、この地声と裏声の筋力のバランスが同じになるまで、徹底的に鍛えてあげることが大切です。
そうすることで、ミックスボイスを習得しやすくなりますからね。^^
では、一緒にやっていきましょう。
①裏声を鍛えよう
では、裏声を鍛えていきましょう。
やり方は、”特に何も考えずに”無意識で「ホー」と発声します。
【参考音源:裏声の強化】
ここでポイントなのは、本当に何も考えないこと。
「裏声を力強く出そう!」
「もっと弱く出してみようかな?」
とか考えてはいけません笑
何も意識せずに、ありのままで発声してください。
②地声を鍛えよう
では、次は地声を鍛えていきましょう。
地声に関しては、地声と裏声を分けようの地声と同じく「ア」で発声していきましょう。
ただ、今回はなるべく大きな声で力強く発声することを意識してみてください。
ありったけの地声を出すイメージです。
音域は、出しやすい音域(どこでもOK)〜 E4(真ん中のミ)でやってみましょう!
【参考音源:地声の強化】
できましたか?次は、地声と裏声を混ぜていきましょう!
パーツを調整しよう
最後に、今まで分離して鍛えてきたパーツを様々な形で上手く動かせるように調整していきましょう。
この段階で、
ミックスボイス
声量の強化
ビブラート
フェイク
などのトレーニングをやると、最初からこれらの練習をするよりも遥かにトレーニングが上手くいきます。
どんな技術を練習しても上手くいきやすい喉になっているということです。
運動神経がいい人は、どんなスポーツをやらせても上手くいってしまうと思いますが、それと同じように
”喉が根本から自由になってきた”人は、例えどんな技術を練習しても上手くいきやすい状態になっているのです。
では前置きが長くなりましたが、ここではミックスボイスの練習方法に絞って解説していきますね。
小さな地声でミックスを習得!
小声で地声を出していきます。
音域は、C4〜E4(真ん中のド〜ミ)でやってみましょう。
注意点は、
大きな声で張り上げないこと
裏声にひっくり返らないこと
この2つです。この2つを守っていただければOKです。
では、やっていきましょう!
【参考音源:小声で地声】
この声が取り出せたら、完璧とは言えなくてもミックスボイス的な発声になっているかと思います。
小声を大きくしていく
先ほど発声した小声を大きくしていきましょう。
小さな地声から大きな地声に移行するときに、裏返らないように注意してください。
【参考音源:小声を大きくしていく】
「喉を自由にするための」3ステップということ
この記事のタイトルは、どうせ書くなら僕の考えを多くの人に知っていただきたいなと思ったので、”ミックスボイスを習得するための3ステップ”と
タイトルを付けました。笑
「実際ミックスボイスを習得できるから間違ってないよね!」ということでここでお許しください。w
でも、このタイトルは”厳密には違います。” (嘘をつくみたいな形になってすみません汗)
なぜなら、この3ステップは、「喉そのもの」の機能を根本から高めるための3つのステップだからです。
喉そのものが自由だからこそ、どんな技術の練習をやっても上手くいきやすいわけですね。
ですから、この記事を読んで「なるほど」と思っていただいた皆様は、これからはミックスボイスを目指すわけでもなく、
ビブラートを目指すわけでもなく、
「自由な喉」を目指しましょう。
その結果として、
ミックスボイス
力強い高音
ビブラート
フェイク
声量
などの全ての技術はついてくるイメージで捉えてもらえればと思います。
ここまで、小難しいお話にお付き合いいただきありがとうございました。
この記事では、字数の関係上僕の伝えたいことの一部しか伝えきることはできませんでしたが、少しでも何かの気づきになれば嬉しく思います。
これからもよろしくお願いします^^
ボイストレーナー 金子太登
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