こんにちは。ボイストレーナーの金子太登です。
「高音では鼻腔共鳴を意識しているけど、
喉仏が上がって鼻声になる。。鼻がビリビリしていれば鼻腔共鳴なの?
ハミングから鼻腔共鳴?もう何がなんだかわからん!」
とお悩みのあなた。
安心してください。当記事と出会ったからには、あなたが鼻腔共鳴で高音を出せない理由が
「完璧に」理解できます。
ちょっとびっくりする内容も含んでいますが、ぜひ最後までご覧ください。
原因と結果が逆
鼻腔共鳴で高音を出せない理由の1つめはコレ。「原因」と「結果」が逆なんです。
もっと簡単言うと、つまり、「ミックスボイスを習得している人間にしか、鼻に響く体感が分からない」ということです。
多くのトレーナーは、「ハーイ!高音は鼻腔に響かせて~!声量も稼ぐよ~!」
といった指導をするわけですね。
しかし、トレーナーの「楽器である喉」がしっかりと完成しているから、鼻に響くように感じることが分かっています。
ということは、そもそも教わっている生徒は、発声ができていないことが多いので、いつまで経っても鼻に響く体感が分かる日はこないのですね。
[結果と原因が逆になっている]
・鼻に響く「結果」→高音がでる「原因」 × (結果と原因が逆ですね。)
・高音がでる(喉が完成している)「原因」→鼻に響く「結果」 〇
あ、トレーナーに悪気はないんですよ。だって、トレーナーは「本当に鼻や頭に響きを感じている」んですから。
トレーナーは高音が出るのだから、響きを感じる。当たり前ですよね。
でも喉が完成していない生徒は、高音もでない。よって、その響きを感じることはできない。。
トレーナーが体感していることをそのまま生徒に伝えると、生徒はもがき苦しんで一生理想的な発声が手に入らない理由が
分かっていただけたでしょうか。
(同じ理由で、鼻腔共鳴自体は「声量」にも影響を及ぼしません。ご注意を。。)
そもそも鼻腔共鳴が存在しない可能性が。
信じられないかもしれませんが、鼻腔共鳴は存在しない可能性があります。
もちろん、鼻腔共鳴はまだ科学的には解明されていないことが多い分野です。
しかし、
「鼻に響くような感覚」と
実際に起こっていることは違うということはハッキリとしています。
ここを勘違いしてしまうと、鼻腔共鳴ができていないのかなあ
などといつまでも悩み続けてしまうことになるので気をつけましょう。
もう一度いいます。鼻腔共鳴はできなくていいんですよ。だって鼻腔共鳴が存在しないんですから。
「鼻腔共鳴が重要」と叫ばれる背景
では、なぜ巷では鼻腔共鳴が高音発声に重要と言われているのかを解説していきましょう。
もともと高音発声をできる人が教えている
もともと高音発声をできる人間が教えているというケースは
多々あります。
もちろん、それ自体に全く問題はないのですが
実際にその先生が体感している中高音域で”鼻に響く”という感覚を
生徒にそのまま伝えるということが問題なのですね。
先生:高い声をだしているときは鼻や頭に響きを感じる⇒生徒にも鼻や頭に響かせろと教える
生徒:言われたとおりに響かせようと頑張っているのに響かない、、
最悪な無限ループです(笑)
ちなみに僕は全く高音発声をできなかった人間なので
現在の僕に、”鼻に響くような体感”があっても、それが解決策ではないことを生徒さんにお伝え出来ます。
共鳴で発声の問題が解決されることは少ない
鼻腔共鳴に限らず、共鳴のさせかたをこねくり回したところで、
発声の根本の問題が解決されることは少ないです。
問題を解決するためには、
裏声系の筋肉に問題があるのか、地声系の筋肉に問題があるのか
それとも両方なのか、混合しているのか、調整能力に問題があるのか・・・
挙げだしたらきりがないほどの要素を判断していく必要があります。
ぜひ、「鼻や頭に響かせる…」みたいな感覚的なトレーニングではなくて、
〇〇のような声を出すには、▼▼を鍛える…といった科学的根拠に基づいた効果的な
ボイストレーニングを実践していきましょう!
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