こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
「平井堅さんみたいな綺麗な高音はどうやったら出せますか?」
「地声で高音を出すと苦しいし、裏声で歌おうとすると、今度は低音が出ません。」
こんな感じのお悩みをよくもらいます。
確かに平井堅さんは、才能あるアーティストさんなんですが、
きちんとしたボイトレを積めば、平井堅さんのような美しい高音も出せるようになりますし、
体感的にも楽に歌うことができるので、心配しないでくださいね。
ということで、さっそくいってみましょう。
目次
1. 柔らかく透き通った高音を身につける
柔らかく透き通った高音。平井堅さんの最大の武器ですよね。
じゃあ、どうするか?ということなんですが、
低音の地声から高音の裏声までが一本に繋がる”ミックスボイス”を習得すればいいのです。
「うわ、出たよ専門用語」と思わないでくださいね笑
ミックスボイスは本当にシンプルで、
低い地声から「あーー」とだんだん声を高くしていくと、スムーズに裏声までズルズルと繋がってしまうただの仕組みです。
【参考音源:ミックスボイス】
これだけ聞くとかなりおかしいですが、歌に使うとこんな感じ。
【参考音源:ミックスボイス(歌)】
※なるべく教科書的に歌いました。
低音から高音まで完全に繋がっているので、声がひっくり返ることも地声で高音が苦しくなることもありません。
まさに地声と裏声が混ざったような美しい声質で、楽に歌うことができます。
平井堅さんもこんな状態で歌われているので、高い声になっても地声で叫んでやっとこ苦しそうに出している感じが全くないですよね。
(もちろん、プロなので表情をつけるために苦しそうな表情はしますけどね。)
僕の場合は、
地声で「おりゃー!!」と大きな声で叫んでも高音が出ないし、
裏声で歌おうとすると、今度は低音が弱々しくなる…
という才能ゼロ、センスゼロからのスタートだったので、
ミックスボイスを習得した時は、体感がかなり楽で嬉しすぎて
一日中馬鹿みたいに歌ってました笑
それくらい最高のスキルなので、ぜひ手に入れましょう。
平井堅の声は裏声だ!というご意見
で、たまに「平井堅の声は裏声を強くしただけだ!」という意見があるんですね。
もちろん、裏声を使っている箇所もたくさんあるんですけど、
基本的にはミックスボイスです。
例えば、KISS OF LIFEという曲のサビは、下のような感じでミックスと裏声を使い分けてます。
赤=ミックス 黒=裏声
Everyday Everynight Wanna kiss Want your lips
口付けから始めよう
柔らかな 真実を 重ねたい 今すぐに
基本的には、柔らかい地声に聴こえている部分は全てミックスボイスです。
平井堅さんの場合、ミックスと裏声が似ているので、最初はよく分からないかもしれないですが、
徐々にミックスと裏声を聴き分けられるようになるので、何回も聴いてみてくださいね。
ミックスボイスを習得するための3ステップ
ここからは、本当の意味でミックスボイスを習得していくための3つのステップを解説していきます。
もちろん、ここで解説するのは着実に成果を出すための正攻法です。
ちゃんとやれば確実に結果が出ます。
だから
「一瞬で!ミックス!」とか
「1日でできるミックス!」
みたいな小手先のコツは紹介しません。全然効果ないので。
そういうコツで成長できないのは分かっているかもしれませんが、そういうのを探している方は別のサイトを探してみてください。
ということで、本気でミックスボイスを習得したい人はこの先も集中してみていってくださいね。
STEP①地声と裏声を分けよう
まず最初に、地声と裏声を丁寧に分けて発声できるようにしていきます。
「いや、地声と裏声が分かれているから困っているんだ!」と思うかもしれないですが、
実はほとんどの人が、地声と裏声がごちゃごちゃに絡まった状態になっていて、綺麗に切り離して発声することができないんですね。
- 地声を出そうとしても、裏声が混ざってしまう
- 裏声を出そうとしても、地声が混ざってしまう
こんな状況にある方が多いんですね。
【図解:地声と裏声が絡まった状態】
だからこそ、いきなり地声と裏声を混ぜようとするのではなくて、地声と裏声をちゃんと徹底的に分けるようにしましょう。
100%の地声
まずは、100%の地声を出してみましょう。
普通に「ア」と地声を出すだけでOKです。出しやすい音域で出してみてください。
【参考音源:100%の地声】
この時、息が漏れたりしないように注意しながら力強い地声を出してくださいね。
100%の裏声
次は100%の純粋な裏声ですね。
純粋な裏声は息がたくさん漏れた裏声です。
「フー」と息を漏らして発声してみましょう。出しやすい音域でOKです。
【参考音源:100%の裏声】
こんな感じで、地声と裏声を徹底的に分離すると、のちのち地声と裏声をミックスさせやすくなるので、
面倒なんですけど、ちゃんとやっておくことをオススメします。
STEP② 地声と裏声を鍛えよう
STEP①で分離した地声と裏声を丁寧に育てて強化していきます。
ふつうは、地声と裏声の筋力バランスに差がありすぎるので、
それを同じくらいのバランスに整えてあげる必要があるんですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが悪い】
地声と裏声のバランスが悪い状態ですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが良い】
(トレーニングによって、地声と裏声のバランスが取れた状態です。こっちを目指していきます。)
地声と裏声の筋力バランスが整うと、これまたのちのち地声と裏声を混ぜやすくなるので、
ちゃんと鍛えておきましょう。
地声を鍛える
まず地声です。地声を徹底的に鍛えていきます。
変な薄っぺらい声で「イ」と声を出してみましょう。
【参考音源:薄っぺらい変な声で「イ」】
裏声を鍛える
次に裏声ですね、これはシンプルです。
何も考えずに、何も意識しないで裏声「ホー」と出してください。
え?何も考えないの?と思うと思うんですが、
そのままちゃんと継続していけば、裏声は徐々に力強く声量も出るようになってきます。
昔の僕みたいに、「おりゃー!!強い裏声じゃー!!」
と、それこそ裏声にエッジボイス を混ぜるとかしちゃいけません笑
【参考音源:何も考えずに裏声を出す】
じっくりと裏声が育つのを待ちましょう。何も意識しないのがポイントです。
SETP③ 地声と裏声を混ぜよう
最後はいよいよ、地声と裏声を混ぜていきましょう。
今まで整えてきた素材を使って、ミックスボイスのトレーニングをしていきます。
そうすることで、低音から高音までひっくり返ったり張り上げたりすることなく歌えるようになります。
本当にたくさんのトレーニング方法がありますが、ここでは分かりやすい方法を1つ紹介します。
地声と裏声を混ぜるトレーニング
小さい声で地声を出します。
小さい声で地声を出そうとすると、どうしても裏声になりがちなんですが、
そこをちゃんと我慢して小さい地声で踏ん張るイメージです。
【参考音源:小さい地声】
出しづらいちょっと高めの音域でやるのがポイントで、
C4〜E4(真ん中のドレミ)あたりでやるのがオススメです。
これができたら、徐々に声を大きくしていきましょう。
【参考音源:声を大きくしていく】
苦しくならず、裏声ではない声で出せていればミックスです。
感覚的には、軽い地声って感じですね。
とはいえ、今できなくても全然問題ないです。
ちょっとずつ仕上げていけば大丈夫なので、焦らずじっくりとミックスボイスを習得していきましょう。
コメントを残す