こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
「ミックスボイスは練習するな!」
いきなり衝撃的なタイトルでごめんなさい。笑
今日お話しするのは、僕自身が実に4年間も高音に苦しみに苦しんだ
大きな原因の一つです。
正直、これから話すことが最初から分かっていれば
4年間も遠回りする必要はなかったんですよね。
正直、悔しいです。無知だったことが。
当時の自分にタイムスリップして、教えてあげたい。。涙
また、僕以外にも長いことミックスの習得ができなくて
苦しんでいる人は多いみたいで、
高音がひっくり返ったり、叫んでしまって苦しかったり、と
なかなかミックスの習得が上手くいかない方から沢山質問をもらいます。
だからこそ僕と同じ目にあってほしくないので、
なぜ僕がミックスボイスを習得できなかったのか?
逆に言えば、どうしたら最短でミックスボイスを習得できるのか?
今日は全部話していきます。
喉締めで高音が苦しかった
いつも話していることではあるんですが、
僕の場合、歌を始めた頃はかなり高音が苦手だったんですよね。
当時、カラオケに毎日のように通って歌の練習をしていたんですが、
歌っていると喉がギューッと締まる感覚が強くて、
首筋ムッキムキで顔真っ赤にして歌っていましたね。
で、そのまま歌い続けていると今度は喉が痛くなってくるので
その痛みを誤魔化すためにミンティアを口にガガガガーって放り込んで歌うんです。
コレです。
で、そうすると、口がスースーして喉の痛みが一瞬だけ取れるんです。笑
はい、もちろんご想像通り、そんなの全然意味ないわけで。
カラオケから帰る頃には、喉が焼けるように痛くてファイヤー状態。
よく喉壊さなかったな、と思います。苦笑
そんなふうに、毎日のようにカラオケで歌いこんでたんですが、今思えば
そもそもミックスに必要な喉の筋肉が足りない状態で
いくら高音の曲を歌いこんだところで、意味はないんですけどね。
当時は気づかなかったので、ひたすら毎日のようにカラオケま●きねこに通って
歌いまくっていました。
店員の可愛いお姉さんが覚えてくれるレベルには通ってました。
無論、コミュ障発動してこれっぽちも話せませんでしたが。
ミックスのコツ探しに奔走
ただ、2年くらい歌い続けても全然ミックスも出ないし高音も伸びないので、
「あれ、、?これ、、なんかおかしくない?」となり、
そこからは、ひたすらミックスの情報収集に走りました。
ボイトレ本買ってみたり、Youtubeで動画見たり、
あるいはスクールに行ったり。
色々とミックスのコツを探して頑張ってたのが懐かしいですね。
でも、残念なことに
高音が裏声っぽいペラッペラな声になるだけで、かろうじても歌に使えるような声に
ならなかったんですよ。
このときは、かなりしんどかったですね。
経験ある人は分かるかもですが、
ゴールまでの道のりが分からない状態って、本当に不安なんですよ。
今自分がやっている練習が、自分の声を悪い方向に導いているかもしれない、
と思うと本当に辛かったです。
冗談抜きに、
ご飯もいつもの半分くらいしか喉通らなくて、痩せて友達に心配されるレベルでしたね。
ただそんな時に、たまたまネットサーフィンをしていて
Twitterであるボイストレーナーさんを見つけたんですよね。
その人が発信している内容は、
最初は正直、理論的すぎるというか、喉の筋肉が…とか
「難しくてよく分からん!」という印象だったんですが、
Twitterやらブログやらを読んでいくと、かなり内容が腑に落ちて。
その当時、僕にとって
ロジックできちんと発声を説明してくれるトレーナーは初めてだったので、
その人のレッスンに行ってみることにしたんです。
ミックス練習するな!と叫ばれて価値観崩壊
レッスン初日は、教えてもらったことが衝撃的すぎて
記憶が半分くらい飛んでますが。笑
早い話、その先生に「お前はミックスボイスの練習はするな!」
と叫ばれたんですよ。w
「お前、ミックスの土台ないんだからまずは土台作れよ。
まずは喉の筋肉だよ。筋肉鍛えろ」
的なことを言われたんですよね。
その時は、頭が完全にフリーズしましたね。笑
…??ミックスレンシュウスルナ?ドダイ?キンニク?
みたいな。笑
ポカーンと口を開きながら、
赤鬼みたいに眉間にシワを寄せた怖い先生の顔をただただじっと見つめてました。
でも、冷静になって考えてみると、完全に先生の言う通りで。
そもそもミックスボイスって、きちんと喉周りの筋肉が鍛えられた人が
初めて発声できる代物なんですよね。
【図:ミックスに必要な喉の筋肉たち(他にもある)】
たとえば、歌うまいアーティストの喉をパカって開けて見たら
全員ゴリマッチョだと思っていいです。w
髭男の藤原さんとか、ミセスの大森さんとか。
みんな綺麗な顔だけど、喉はマッチョなんですよ。笑
でも冗談抜きに
それくらい、喉の筋肉って歌には必須なものなんですね。
でも僕の場合、
ミックス発声に必要なほぼ全ての筋肉が”圧倒的に”足りていませんでした。
だから、僕がやっていたのは腕の筋肉全然ないのに
イチローのバッティングフォームだけ真似て、素振りの練習はする‥!
みたいなことだったわけです。
そりゃ習得できなくて当然でしたね。
話を戻すと、そんなふうにして、
先生の一言で、「高音を出すにはとにかくミックスの練習だ!」
という、僕の中での”常識”が完全にぶっ壊れました。
だからこそ、そこからはこのブログでも話している通りで、
喉の筋肉をコツコツと鍛えていったんです。
ミックスの練習に夢中になる前に、ちゃんと発声の土台固めをコツコツ
やっていきました。
ミックスの練習やめたら高音伸びた。
結果、今まで出せなかった種類の声がどんどん出るようになっていって。
「え?!なんか裏声の音域伸びてる!」
「声量こんなに出たっけ!すげえ!」
と、特に発声の成長期には、毎日が驚きの連続でしたね。
それから色々とボイトレ積んでいって、地声の音域もぐんぐん伸びていくし、
音域に余裕ができると今度は表現にも気を回せるようになるから
どんどん歌唱力が上がっていくんですよ。
結果、人前で歌う時も「高音裏返らないか…?」とか考えなくて済むので
自信を持って堂々と歌えるようにもなりました。
「これが、発声の土台を固めるってことなんだな…」
と、土台高めの威力に驚きましたね。
もうこうなってくると楽しくて楽しくてしょうがないです。
あれだけ結果が出なくて恨んでたボイトレが。笑
毎日道をスキップしながらでーーっかい声で
鼻歌を歌う完全にヤバい奴と化してました。笑
でももうね、それくらいワクワクが止まらないんですよね。w
「死ぬまでずーっとこの喉で歌えるんだ」と思うと
朝起きてから夜寝るまでニヤニヤが止まらないんです。
また話がそれました。
すみませんね、思い出すだけで嬉しくて。ついね。笑
高音に才能はいらない。誰でも歌は上手くなる。
とにかく、この経験からも
ミックスの練習はもちろん大事ではあるんだけども、
その前段階である「喉の筋トレ」が超大事なんだ、ということは声を出しにして
伝えたいです。
だからもし昔の僕みたいに、一生懸命ミックスボイスの練習をしても上手くいかないのなら
まずは焦らず土台固めから一緒にやっていきましょう。
焦らず一歩一歩進めていけば、必ず声は良くなっていくし、
歌は上手くなります。
僕も、ボイストレーナーとしてこんなこと言っちゃいけないかもですが、
録音した声を聴けなくなるくらい自分の声に絶望したし、
正直「結局、歌は才能じゃん」と不貞腐れていました。
元々話し声が高い人を見るたびに、羨ましく思ったし、
元から歌える知り合いと自分の歌声を比較しては、実は一人で悔し泣きしてました。笑
でも今ならわかりますが、才能なくたって全然大丈夫です。
こんなダメダメな自分でも、基礎からやったらなんとかなりました。
だから今不安でも、全然安心していいです。
僕もこれからもどんどん歌上手くなりたいので、
今でも先生つけてアホみたいにレッスン受けています。
そしてそこで得た知識だったり情報は、このブログやYoutubeにしっかりと残していきます。
だからそれを見ながら、まずはボイトレを楽しんでほしいです。
歌を楽しんでほしいです。今ダメだとしても諦めないでほしいです。
いや、やっぱりどうしても辛かったら、一回僕みたいに諦めてもいいです。
でももう一回フラッと歌の世界に帰ってきてほしい。笑
やっぱりたのしいですよ。歌は。
僕なんてこれだけ苦しめられた歌がまだ好きなんだから、
もうこれは麻薬かなんかですね。笑
話がまたまたそれましたが、僕もどんどん成長していくので
これからも一緒に一歩一歩成長していきましょう!
それでは、ありがとうございました。
追伸
発声の土台固め、つまり”喉の筋トレ”についてもっと深く学びたい場合は、
分かりやすく解説している発声改善ルートという
記事があるので、よければ読んでみてください。
これはいわば発声の教科書です。
ステップバイステップで
発声が良くなってミックスを習得する足がかりになるような
内容になってます。よかったらぜひ。^^
ありがとうございました。
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