こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
今回はボイトレ本、ロジャー本(ハリウッドスタイル 実力派ボーカリスト養成術)の
レビューをしていきたいと思います。
この本はハリウッドで活躍されている有名トレーナー、ロジャーラヴ氏の本でして、
ボイトレ界隈ではかなり有名な本です。
あの大スター マイケル・ジャクソンも使っていたハリウッド系ボイトレのメソッド
がふんだんに含まれている本としても有名ですね。
あまりに有名なので、ミックスを習得したくて、実際に取り組みんでみた人もかなり多いんじゃない
かなと思います。
ただその一方で「ロジャー本のCDに合わせてやってるのに、全然ミックス習得できないです。。」
という声もかなりいただくんですよね。
実際、僕の生徒さんにも「ロジャー本やってたけど全然ダメでした。。」
という方は意外に多いです。
ということで、今回はロジャー本でミックス(ミドル)を習得できるのか?
現役ボイストレーナーの視点で、お話ししていきたいと思います。
僕自身、今までボイトレ関係の書籍に関しては100冊以上読んできてますし、
このロジャー本に関しては、僕自身が実際に
ガッツリ取り組んでた経験があるのでそれなりに信憑性があるお話はできるかと思います。笑
今後のミックスボイス習得の手がかりになると思うので
ぜひよければ参考にしてみてください。
ミックスは習得できるが、人を選ぶ。
結論から言えば、内容自体は素晴らしいと思います。
ミックスボイスの習得に特化したトレーニング法としては優れていると
思うし、この本一冊で声が一本化(=つまりミックス)する人もいるんじゃないのかなと。
でも同時に、ミックスの土台が出来ていない人にはかなり厳しい内容とも
言えますね。汗
大前提として、ミックスボイスを習得するには
まず最初にミックス発声に必要な喉の筋肉たちが
バランスよく鍛えられていないといけないんですよね。
ミックスボイスに限らず発声は、スポーツと同じで”喉の筋肉運動”なので
その筋肉をしっかりと鍛える「喉の筋トレ」が必要になってきます。
でもそういった喉の筋力トレーニングは、この本にはほとんど収録されてないんですよ。
というかこの本に限らず
本来、ハリウッド系(海外系)のボイストレーニングは
発声の土台作りはそこまで重視してない傾向にあります。
どちらかというと
すでにある素材(喉の筋肉など)を上手く使って、発声のバランスを整えていこう。
そんな発想のメソッドなんですね。
だからある程度土台がある人が”最後の仕上げ”としてやる分には最高なんですが、
ミックスに必要な土台が整えっていない人が取り組んでも
おそらく一生かかっても習得できない可能性があります。
事実、僕はこの本を愚直にやり続けて見事に喉締めになりました。笑
本付属のCDトラック22に合わせて
「ネイネイ!ガッガ!マンマン!」と声出ししていたのが懐かしいですね。w
真面目に練習してはいたものの、
カラオケに行って、歌のチェックをするたびに
鶏の首絞めたみたいなキンキンした細くて聞き苦しい高音になっちゃってたんですよね。
毎回、自分の声を録音して聴くのが本当に辛かったのを
思い出します。
もちろん「それ、お前のやり方間違ってたんじゃねえの?」
と思うかもですが、僕に関してはこの流派を教えられる超有名トレーナーさんに
継続的に指導してもらいながらやってこのザマですからね。
才能なさすぎワロタ…といった感じですが、土台が整ってなかった
自分にはどうしようもなかったんです。
教えてくれたトレーナーさんもめちゃくちゃいい人だったし、今考えても
土台があるシンガーさんの調整師としては
かなりの指導スキルを持っている先生だったと思います。
だからハリウッド系のメソッドやそれを教えている先生を否定するつもりは毛頭ないです。
むしろめちゃくちゃセンスのある人はいきなりこのメソッドからやって、最終調整をしていった方が
結果が出るのは早いとすら思ってます。
話がそれましたが、結論ロジャー本はセンスのある上級者向けかな、
といった印象ですね。
まあ、ハリウッド系ボイトレを受けていた
マイケル・ジャクソンとか、ボイトレ習う前の幼少期から
元々めちゃくちゃ歌上手いですからね。ww
上級者も上級者です。笑
だから元々発声の土台が開発されている海外のシンガーさんには、
相性がいいのかもしれません。
(海外発のメソッドなので当たり前っちゃ当たり前ですよね)
でもそもそも土台がない我々日本人は愚直に、発声の土台固め
からやるのがいいですね。
具体的には喉の筋肉を鍛える「喉の筋トレ」をやりましょう。
それで土台を固めて、最後の仕上げにこういったハリウッド系の海外メソッドをやるといいのかなと。
ちなみにそのトレーニング方法について質問をもらうことが多いので、
一から順序立てて学べる記事を作りました。
完全に有料級ですが、無料で開放しているのでよかったら使ってみてください。^^
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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