こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
「声の混合って何?具体的に知りたい」
「声が混合する理由は?」
「どうしたら混合を改善できるの?」
きちんとボイストレーニングをやっている方は特に、このような疑問を抱くのではないでしょうか?
僕自身も、「え?混合って何?ミックスボイスとは違うの?」と思っていたのを昨日のことのように思い出します笑
そこで今回は、
・声の混合とは何か
・自由な発声を妨げる声の混合を解消する具体的なトレーニング法
この2点をボイストレーナーの僕が徹底的に掘り下げて解説します。
【参考歌唱音声:Pretender】
※ミックスボイスで歌った音源です。
目次
1.声の混合とは?
声の混合とは「意図したパーツを動かせない」ことです。
混合の中でも特に多い、地声と裏声の混合を例に解説していきましょう。
ケース① 純粋な地声を出したいのに、勝手に裏声が混じってしまう・・・
【図:地声と裏声の混合のイメージ】
左の図は、地声を出そうとしても裏声が混じってしまう例ですね。
地声に勝手に裏声が悪い状態で混ざってしまうと、下記のような症状に悩むことが多いです。。
・大きな地声を出そうとしても小さな声になってしまう
・息っぽく弱々しい声になってしまう
実際に、声が混合していない音声と混合してしまった音声を2つ比べてみましょう^^
【参考音源1:地声に裏声が混ざっていない良い例】
【参考音源2:地声に裏声が混ざってしまった悪い例】
参考音源1に比べて参考音源2の方が弱々しい声になってしまっているのが分かると思います。
ケース② 純粋な裏声を出したいのに、勝手に地声が混ざってしまう・・・
続いて、右の図は裏声を出そうと思ったのに地声が混じってしまった例です。
こっちはこっちで大変な症状があるんです。(汗)
・息を沢山含んだ弱い裏声を出そうとしても力強い声になってしまう
・裏声をだす直前に、息だけが抜けて、遅れて声が出る
つまり、純粋な裏声を発声したいのに、どうしても地声系の筋肉が働いてしまうということですね。
では、こちらも音声で比較していきましょう^^
【参考音源1:裏声に地声が混合していない良い例】
【参考音源2:裏声に地声が混合した悪い例】
参考音源1の裏声がしっかりと息漏れしているのに対し、
参考音源2は、息を漏らそうとしても勝手に声に芯が入ってしまいます。
こん感じで、意図して動かしたくないパーツまで動かしてしまう状態が「声の混合」と言えると考えています。
2.混合する主な理由は意外なアレ。
では、なぜ声が混合してしまうのか。
その理由は様々ですが、大きな理由の一つとして、いきなり地声と裏声をつなぐミックスボイスの訓練をしてしまうことにあると考えています。
「え?ミックスボイスの練習をするのは当たり前じゃん?」
と思うかもしれませんが、そうじゃないんですね。
先ほどもお話したように、地声と裏声をはじめとする発声のパーツがゴチャゴチャになった状態でミックスボイスのトレーニングをしてしまうと、
余計に混合が悪化する可能性が高いんですw
僕なんかがいい例で、パーツがごっちゃごちゃに絡まった状態でひたすらにミックスボイスの訓練だけをしていたので、裏声がほとんど出なくなるという事件が起きました笑
いやいや、裏声は出ないは話盛ってるでしょ?とよく言われるんですが、
残念ながら本当に出ないんですね。w
息だけが「サーーー」と抜けていって、全然声にならないんです。。
というホラー的な発声状態にならないためにも、しっかりとパーツの整理整頓を行ってから、高音発声などのトレーニングをしていきましょう。^^
3.地声と裏声を分離する方法
声の混合の中でも、もっとも多くの方が陥りやすい「地声と裏声の混合」を解消するための方法論を解説します。
3−1.息漏れのある裏声「フー」
息漏れのある裏声で「フー」と発声してみましょう。
【参考音源:息漏れのある裏声「フー」】
3−2. 息漏れのない地声「ア」
息の漏れが少ない地声「ア」と発声してみましょう。
【参考音源:息漏れのない地声「ア」】
ボイトレは”整理整頓”から始めよう!
高音発声 ビブラート フェイク などなど、こういった技術は確かに魅力的です。
ですが、いきなりそれらのスキルを目指してもうまくいかない可能性が高いので、まずは焦らずにしっかりと
パーツを分離することができるような仕組みを喉に構築していきましょう。^^
結果として、自由な発声を手に入れられるのであれば、地味なトレーニングも頑張れるはずです笑 一緒に頑張りましょう!
今回は以上となります。お疲れ様でした。^^
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