こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
今回はお風呂で上手く歌える理由と、カラオケやライブでも上手に歌えるようになるための
方法についてお話しします。
レッスンでよくもらう質問の中に、
「風呂場だと上手く歌えるのに、カラオケやライブだと
上手く歌えません！」というものがあります。
これ、悩んでいる人はめちゃくちゃ多いんじゃないかなと思います。
僕は月に２００人以上のレッスン生を指導しているんですが、１０人に７、８人くらいはこの悩みを
抱えて僕の元にきます。
家だったり、風呂だと楽に声が出て上手く歌えるのに、
カラオケに行って声が出ない時の絶望感。。
僕自身が何度も味わってきたので、その辛さが分かります。苦笑
だからこそ、どんな環境でも同じコンディションで自由に歌える人が一人でも増えれば
と思って、今キーボードを叩いてます。
実際これから離すトレーニング方法をレッスン生に指導したり、公式LINEの読者さんにも
シェアしているんですが、
「カラオケやライブでも楽に歌いやすくなりました！」とかなり好評をいただいてます。
このブログでは僕自身が１０年間ボイストレーニングを学んできた中で、
効果を実証できた理論しか話しません。
だからレッスンを受けていると思って、真剣に実践してみてくださいね。
なぜお風呂だと上手く歌えるのか？
風呂場で上手く歌える理由は、シンプルにリラックスして声を出しやすいからです。
もっというと、他の環境に比べて楽に高音を出しやすくなるんですよ。
だから歌声に余裕が生まれるんですよね。
じゃあなぜ高音が出しやすくなるのか？というと、風呂場だと
高音を出しやすい条件が整うんですね。
具体的には、発声のバランスが整いやすいんです。
基本的に高音を出しやすい条件というのは、地声と裏声のバランスが整った状態なんですが、
風呂場だと地声と裏声のバランスが整いやすいんですね。
風呂場だと、声が響くので自然と小声で歌うと思うんです。
すると、それによって地声を弱めることになるので、裏声が弱い人でも
“弱い基準”で地声と裏声のバランスが整うんですよ。
【図：弱い基準で地声と裏声のバランスが取れる】
だから風呂だと高音を出しやすくなって、余裕をもって楽に歌えるわけです。
でも一方で、カラオケやライブで普通に歌うときは、発声のバランスが崩れている
状態で歌うことになるんですよね。
ようは地声と裏声のバランスが悪いんです。
僕もそうですけど、ほとんどの人が普段の話し声で使うのは地声ですよね。
だから、裏声に比べて地声の方が強く育ってしまっていることが多いんですよ。
【図：カラオケで歌うときの地声と裏声（バランス悪い）】
これだと、高音を出しやすい条件＝地声と裏声のバランスがいい
という大原則から完全に外れてしまうので、カラオケやライブで歌うときに
歌いづらく感じている人たちが多いんです。
地声と裏声のバランスを整えよう
じゃあどうすれば、いいのか？というと、地声と裏声のバランスを
整えるトレーニングをしていけばいいんですね。
僕自身も、地声と裏声のバランスを整えることからスタートして、
今ではかなり高音を楽に出せるようになりました。
【参考音源：今の高音発声】
だからこそ、高音を出しやすい条件＝地声と裏声のバランスがいい
この大原則を忘れずに、
裏声、地声、それぞれのトレーニングを見ていきましょう！
① 裏声 ：ミッキーのモノマネ
色々な裏声のトレーニングがある中で、裏声を強力に鍛えてくれる方法の中に
ミッキーのモノマネがあります。
モノマネというとふざけているみたいですけど、全くそんなことないので安心してください。笑
本来は後頭部に声を当てるイメージで発声する声なんですが、
それだとイメージしづらいのでミッキーと表現しているだけです。
きちんと、特定の喉の筋肉を狙った科学的根拠のあるトレーニングなんですよ。
僕自身、これをきっちりと練習してから裏声の最高音もぐんぐん伸びて、
地声の高音の体感も楽になっていきました。
それぐらい効果のあるトレーニングなので、コツコツ継続してみてください。
【参考音源：ミッキーの声】
「や」でミッキーの声を真似しながら裏声を出します。
【練習音源：ミッキーの声】
② 地声：AH
次は地声ですね。
「地声が強くて、裏声が弱いなら裏声だけ鍛えればいいんじゃないの？」
と思うかもですが、
あくまで地声と比べたときに、裏声の方が弱い人が多いだけで、
地声が完璧に育っている人は意外に少ないんですよ。
だから、しっかり地声もトレーニングしておくのがお勧めです。
【参考音源：AH】
これはシンプルに「あー」と声を伸ばすトレーニングでいきましょう。
【練習音源：AH】
これに関しては、綺麗な歌声というよりも、
「地声！話し声！」みたいなイメージの汚い声で大丈夫です。笑
そのほうが、ガッツリ地声の筋肉を鍛えられるので、
商店街のおじさんの「いらっしゃいいらっしゃい！」みたいな汚い声（失礼）をイメージして
やっていきましょう。
応用：地声と裏声を繋げよう
ここまででも、高音を出しやすくする土台作りは進んできています。
ただ、さらに高音を楽に出せるようにして、歌に使える状態に持っていくためには
もう一段階踏む必要があるんですね。
それが、融合トレーニングです。
これは、地声と裏声を徹底的に混ぜていくトレーニングですね。
「いや、地声と裏声は混ざらないでしょ！」と思うかもですが、
確かに、地声と裏声自体は物理的には混ざりません。
ただ、まるで”混ざったかのように”地声と裏声がスムーズにつながる発声
（＝ミックスボイス）を習得していくってことですね。
【参考音源：ミックスボイス（単体）】
単体で聴くと変な声なんですが。笑
地声と裏声がつながった状態なので
高音で急に裏声に切り替える必要がなくて、高音でも楽に歌いやすいんですよね。
だからこそ、地声と裏声がスムーズに繋がるスキル「ミックスボイス」の練習を
していくのが大事になってきます。
融合トレーニング：ハミング
「融合のトレーニングでおすすめがあれば教えてください！」
レッスン生や公式LINEの読者さんから、毎日のようにこの質問をいただくんですが、
それでいうと
初心者の人におすすめなのはやっぱり「ハミング」かなと思います。
声量を抑えた小さな地声でハミングをしていくと、
自動的に地声と裏声の筋肉をバランスよく使う、ミックスボイスの状態に持っていきやすいので
おすすめです。
【参考音源：ハミングで高音まで】
ここまで声が整ってきたら、あとはハミングのまま
歌で使ってみたり、メロディをなぞったり。
実際に歌詞を歌ってみたり。
そんなふうにして、歌に使える状態に持っていく練習をしてみるのが
いいですね。
もちろん、最初は難しいと思います。
僕もミックスボイスの習得にはかなり悩まされて、本当に苦労しました。
元々、「平均的な音域の男なら誰でも歌える」と言われていた福山雅治
の曲ですら、サビの高音が苦しくて出ないレベルの音域の狭さだったので。笑
もちろん、努力はしましたけど、
僕の場合、正しいトレーニング方法を知らなかったのもあって、
１０以上のスクールに通って、たくさんボイトレ本を買い込んで、
Youtubeを見て、、
といった感じで、ひたすら情報をかき集めてはできなくて、、を
繰り返してました。
お金も時間も、たくさん飛んでいきましたね。笑
でも、正しい知識を知ってコツコツ練習していったら、
ミックスボイスは習得ですることができたんですよ。
そんな低レベルからのスタートでもできましたし、
僕の生徒さんも僕と同じレベルか、それより下からのスタートでもみんな高音を楽に出せるように
なっていってます。
だから安心して、トレーニングしていきましょう。
それでは、ありがとうございました。
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