
こんにちは。ボイストレーナーの金子太登です。
今回は、お風呂で歌うとうまく歌える謎とその解決法についてお話します。
「お風呂ならうまく歌えるのにな…
カラオケとかスタジオだと歌下手になるんだよね。」
そんなあなたの疑問を解決します。
※ボイストレーナー金子の歌声です。当記事を参考にするかどうかの判断基準としてください。
【ミックスボイスでの歌唱例】
1.お風呂で歌うとうまく歌えるワケ

お風呂で歌うとうまく歌えるワケを解説します。
1-1.小声ミックスになっている
お風呂でうまく歌える大きな理由の1つとして
“小声ミックス”になっているということがあります。
(お風呂は声が響くので、大きな声を出さなくて済みますから小声になりがちです。)
小声ミックスボイスについては過去記事にまとめている
詳しくは割愛しますが
ようするに、大きな声ではミックスボイスになっていないけれど
小さな声ならミックスボイスにできるという状態のことです。
一応ミックスボイスの状態になってはいるので、
換声点(声がひっくり返るポイント)はなくなります。
だからこそ、音域の制限がなくなるので歌いやすいわけです。
ではなぜ小声であればミックスボイスになる場合があるのか。
それは、小声にすることで地声と裏声の筋肉のバランスをとりやすくなるからです。
簡単な図を使って説明します。
[図解:通常の発声時の筋肉の状態]
基本的に話すときの声は地声である人が多いと思いますが、
その影響で普段から使うことの少ない裏声に対し、
地声の筋肉は鍛えられていることが多いのです。
地声と裏声の強さが異なる場合、
2つの声がミックスすることはありません。
[図解:小声ミックス発声時の筋肉の状態]
では、小声ではどうでしょうか。
小声にすることによって、地声の筋肉は緩むことになり
裏声の筋肉の強さと同等の強さにすることはできます。
こうして”弱い基準”で声の強さが揃うので、小声でのミックスが可能になる場合があるということです。
「なら、裏声を鍛えて地声の筋肉の強さと同じにすればいいじゃん」ということなのですが
それは正解なのですが、それをうまいこと融合したりその段階で声の混合が起こらないように
注意したり、、とにかくボイストレーニングは大変なのですww
1-2.お風呂は声が響く環境
聴覚フィードバックといって、壁などから跳ね返ってくる自分の声を頼りに歌う方が
歌いやすいということがドナルド・マックスウェルとロス・エクストロムの研究で分かっています。
お風呂はめっちゃくちゃ声が響く環境ですよね。
自分の声の跳ね返りが大きい分うまく歌える&うまく歌えた気分にもなるのですねw
歌えた気分というのは、実際にはロングトーンで発声できなくても
エコーで響いて聴こえるなど、様々な「発声の粗」が隠されるので
実際の歌唱よりもうまく聴こえるということです。
何とも切ない解説で申し訳ないです( ;∀;)
2.お風呂からでてもOKな発声を習得する方法
2-1.基本のトレーニングをしてください。
基本的なトレーニングをつみ、喉そのものの成長を促すことが必要です。
先ほどの図解で、地声と同等の強さになるまで裏声を鍛えればいいことは
わかりましたが、あくまでそれは”最低条件”であって
それだけでは理想的な発声(=ミックスボイス)を習得することは難しいです。
(もちろん、多くの方は地声と裏声のバランスを整えるだけでも
劇的に発声が改善されますが。)
『何からやっていいか分からない!」あなたへ向けた基本的なトレーニングを
網羅している記事を過去にまとめましたので、ぜひご覧ください。
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