こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
「ミックスボイスって習得までにどれくらいの期間がかかるの?」
「3年練習しても全然ミックスボイスが習得できない・・・」
「初めて習得できた時は、ミックスボイスって分かるの?」
今回は、このように悩んでいた過去の自分自身に向けて書くつもりで、ミックスボイスを習得するまでの期間と
ミックスボイスを習得するための手順までを丁寧に解説します。
ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
1.ミックスボイスの習得期間は2ヶ月〜2年
僕自身や、僕の生徒さんの経験から、ミックスボイスの習得期間は平均して、2ヶ月〜2年の間くらいですね。
「え?長くない?」
と思った方も多いと思います笑
しかし、ミックスボイスを習得するまでの間、”全く成長がない”というわけではいんですね。
適切なトレーニングをコツコツと実践することができれば、日々自分の声の成長を実感できますし、音域も爆発的に広がっていくのが分かります。
そして、ある時「あ、低音から高音まで自動で繋がるやんけ」と思ったら、それはミックスボイスだったということですね。
ちなみに僕の場合は、
独学時代は本や動画で勉強したりYahoo!知恵袋で質問をしていて、その甲斐あってか、
小さい声なら地声と裏声はなんとか弱々しい声で繋がったのですが、
そこから何をやっても進歩がなかったので、トレーナーに習ったんですよね。
それでなんとか習得できた、、という感じです。
逆に
「2時間で習得!」とか
「一瞬でミドル!」みたいなのは間違いなくありえないですw
それが本当なら今すぐにでも全員が歌手レベルの音域で歌えちゃいますからね。
ぜひ引っかからないようにご注意ください。
ミックスボイスを習得するための3つのステップ
ここからは、本当の意味でミックスボイスを習得していくための3つのステップを解説していきます。
もちろん、ここで解説するのは着実に成果を出すための正攻法です。
ちゃんとやれば確実に結果が出ます。
だから
「一瞬で!ミックス!」とか
「1日でできるミックス!」
みたいな小手先のコツは紹介しません。全然効果ないので。
そういうコツで成長できないのは分かっているかもしれませんが、そういうのを探している方は別のサイトを探してみてください。
ということで、本気でミックスボイスを習得したい人はこの先も集中してみていってくださいね。
STEP①地声と裏声を分けよう
まず最初に、地声と裏声を丁寧に分けて発声できるようにしていきます。
「いや、地声と裏声が分かれているから困っているんだ!」と思うかもしれないですが、
実はほとんどの人が、地声と裏声がごちゃごちゃに絡まった状態になっていて、綺麗に切り離して発声することができないんですね。
- 地声を出そうとしても、裏声が混ざってしまう
- 裏声を出そうとしても、地声が混ざってしまう
こんな状況にある方が多いんですね。
【図解:地声と裏声が絡まった状態】
だからこそ、いきなり地声と裏声を混ぜようとするのではなくて、地声と裏声をちゃんと徹底的に分けるようにしましょう。
100%の地声
まずは、100%の地声を出してみましょう。
普通に「ア」と地声を出すだけでOKです。出しやすい音域で出してみてください。
【参考音源:100%の地声】
この時、息が漏れたりしないように注意しながら力強い地声を出してくださいね。
100%の裏声
次は100%の純粋な裏声ですね。
純粋な裏声は息がたくさん漏れた裏声です。
「フー」と息を漏らして発声してみましょう。出しやすい音域でOKです。
【参考音源:100%の裏声】
こんな感じで、地声と裏声を徹底的に分離すると、のちのち地声と裏声をミックスさせやすくなるので、
面倒なんですけど、ちゃんとやっておくことをオススメします。
STEP② 地声と裏声を鍛えよう
STEP①で分離した地声と裏声を丁寧に育てて強化していきます。
ふつうは、地声と裏声の筋力バランスに差がありすぎるので、
それを同じくらいのバランスに整えてあげる必要があるんですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが悪い】
地声と裏声のバランスが悪い状態ですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが良い】
(トレーニングによって、地声と裏声のバランスが取れた状態です。こっちを目指していきます。)
地声と裏声の筋力バランスが整うと、これまたのちのち地声と裏声を混ぜやすくなるので、
ちゃんと鍛えておきましょう。
地声を鍛える
まず地声です。地声を徹底的に鍛えていきます。
変な薄っぺらい声で「イ」と声を出してみましょう。
【参考音源:薄っぺらい変な声で「イ」】
裏声を鍛える
次に裏声ですね、これはシンプルです。
何も考えずに、何も意識しないで裏声「ホー」と出してください。
え?何も考えないの?と思うと思うんですが、
そのままちゃんと継続していけば、裏声は徐々に力強く声量も出るようになってきます。
昔の僕みたいに、「おりゃー!!強い裏声じゃー!!」
と、それこそ裏声にエッジボイス を混ぜるとかしちゃいけません笑
【参考音源:何も考えずに裏声を出す】
じっくりと裏声が育つのを待ちましょう。何も意識しないのがポイントです。
SETP③ 地声と裏声を混ぜよう
最後はいよいよ、地声と裏声を混ぜていきましょう。
今まで整えてきた素材を使って、ミックスボイスのトレーニングをしていきます。
そうすることで、低音から高音までひっくり返ったり張り上げたりすることなく歌えるようになります。
本当にたくさんのトレーニング方法がありますが、ここでは分かりやすい方法を1つ紹介します。
地声と裏声を混ぜるトレーニング
小さい声で地声を出します。
小さい声で地声を出そうとすると、どうしても裏声になりがちなんですが、
そこをちゃんと我慢して小さい地声で踏ん張るイメージです。
【参考音源:小さい地声】
出しづらいちょっと高めの音域でやるのがポイントで、
C4〜E4(真ん中のドレミ)あたりでやるのがオススメです。
これができたら、徐々に声を大きくしていきましょう。
【参考音源:声を大きくしていく】
苦しくならず、裏声ではない声で出せていればミックスです。
感覚的には、軽い地声って感じですね。
もちろん難しいので、今すぐできなくてOKです。
何度も何度も繰り返し練習して、
少しずつミックスボイスを完成させていきましょう。
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