こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
今回は、鼻腔共鳴で高音を出せない理由という話です。
僕自身、楽な高音発声を身につけるまで実に4年間も遠回りしてしまったんですけど、
その大きな理由の一つに「鼻腔共鳴(びくうきょうめい)」があります。
ボイトレを始めた頃、当時通っていたスクールの先生に
「高音を出せるには鼻腔共鳴が大事!」
「高音は鼻から出すイメージで!」
と教えてもらったので、ひたすら声を鼻に響かせる練習をしていたんですよ。
鼻から声を出すつもりで、ひたすらハミングしたり、平べったいキンキンした声で
「ネイネイ!」とスケール練習したり。
とにかく先生に言われた通り、声の意識を鼻において練習してました。
でも結局は、薄っぺらい変な鼻声になるだけで高音も出ないし、苦しいままだったんです。
おそらく、これを読んでいる人の中には同じような経験をしている人もいると思うんですよね。
だからこそ今回は鼻腔共鳴だけでは高音を出せない理由を解説した上で、楽な高音発声が手に入る
方法を話していきます。
僕自身この知識をしっかりと理解できたからこそ、終わらない高音発声迷子の沼から抜け出せました。
ぜひ、最後までじっくり読んでみてください。
鼻腔共鳴で高音が出せない理由
結論、タイトルにもある通りで鼻腔共鳴を意識するだけでは高音を出せません。
というのも発声の感覚は、歌が上手くなったシンガーの”結果論”だからです。
「鼻の響き」「頭の響き」みたいな感覚って
発声を極めて高音を出せるようになったシンガーが初めて感じられる
体感、なんですよね。
僕も発声を固めて楽に高音を出せるようになってから、
生まれて初めて高音で声の響きを鼻に感じるようになったんですが、
それは発声が良くなったから、”結果的に”鼻に響く感覚が分かったに過ぎません。
・鼻に響かせる → 高音が出る ×
・高音が出るようになった → 鼻に響く ◯
こういうことですね。
結果と原因が逆なんですよ。
だから発声の土台がグチャグチャだった僕が、歌の上手いシンガーの
表面上の感覚だけを追い求めたところで、高音が出るはずがなかったんです。
もちろん、鼻腔共鳴を完全に否定したいわけじゃないですよ。
発声がしっかりと固まっているシンガーが鼻に響かせる分には、
声の響きが良くなったりする効果もあるので、それはOKですね。
ただ、高音を楽に出すために必死に鼻に響かせることはお勧めできません。
こんなことを言うと、「何を当たり前のことを言ってんねん」と思うかもですが
僕はこの基本事項をよく理解してなかったばかりに、4年間も遠回りしました。
もし、もっと早く知っていたら鼻に響かせまくってキモ声を拗らせる前に、さっさと発声を固めても
っと早く自由に歌えるようになっていたと思うんですよ。
そう思うと、本当に後悔してもしきれません。
僕の二の舞になってほしくないので、これから高音発声を身につける人は歌が上手いシンガーの
“感覚”を追い求めるのではなくて、しっかりと発声を極めてほしいなと思います。
喉の筋肉を鍛えよう
じゃあ、発声を固めるためにどうすればいいのか?というと、
喉の筋肉を鍛える「喉の筋トレ」をやるのがおすすめです。
喉周りにある喉の筋肉を一つ一つ丁寧に鍛えていくんですよ。
高音を出すための筋肉、地声感を出すための筋肉、声量を出すための筋肉、
深い声を出すための筋肉、などなど。
喉の筋肉をバランス良く鍛えていくことで、高音はもちろん、
あらゆる歌唱スキルが上がっていきます。
というのも、高音が出るかどうか?は、主に喉の筋肉の問題だからです。
これ、もういろんなところで3000万回くらい話しているので、耳タコな人も
いるかもですが、歌うことはスポーツと同じで喉の筋肉運動です。
僕らは、脚の筋肉や腕の筋肉があるからこそ、歩いたり走ったりできるわけですけど、
それと同じように歌声は喉の筋肉を使って奏でるんですね。
高音発声はもちろん、低音も、大きな声も、小さな声も、息っぽい声も、芯のある声も、
ビブラートも、フェイクも、シャウトも、がなりも、ヒーカップも、
全て喉の筋肉を使います。
だから今、高音に悩んでいる人は
喉の筋肉を鍛える「喉の筋トレ」で発声の土台をガッチリ固めてほしいなと思います。
具体的なトレーニング方法は、発声改善ルートで一からわかりやすく解説しているので、
よかったら学んでみてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
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