「なんか喉で歌ってる感じがする。苦しそう」
昔の友人とカラオケに行くとよくこんなことを言われていました。
実際、僕も歌うのは大好きだったのですが、
やたらと息が漏れたり、喉に力が入ったりと
一曲まともに好きな曲を歌うこともままならない状態が続いていました。
確かに友人の言うとおり、誰が聞いても喉で歌っていると感じる苦しそうな声だったのは間違いないようです。
でも、そんな僕が発声を克服してボイストレーナーになってようやく分かったんですよね。
喉で歌わない方法なんて存在しないんだと。
お腹から声が出るわけではない
当たり前の事実として、声ってお腹から出るわけでも背中から出るわけでもないんですよね。
普通の人間なら、喉から声は出るわけじゃないですか。
だったら、まずは喉に起きている問題を一つ一つ解決していくことが重要だと思いませんか?
例えば、
喉が問題で息が漏れてしまう人に対して、素晴らしい呼吸法を身につけさせたところで、息漏れは改善しません。
喉が問題で高い声が出ない人に対して、支えを教えたところで、高音を楽に出せるようにはなりません。
まずは腹式呼吸をしっかり!
お腹で支えて!
背中から声を出す感じで!
これらの言わんとしていることを否定しているわけではありません。
呼吸だって大切ですし、身体の仕組みを整備することも大切でしょう。
実際に、僕のレッスンでも取り入れています。
ただ、「優先順位」というものを考えたときには、まずは喉から自由にしていくことが最優先になると考えているということです。
喉で歌わないのではなく、最高に自由な喉で歌うことを目指すべきなのです。
平井堅さんから学ぶボイトレの優先順位
一般的に肩を上げて呼吸する呼吸法は、「胸式呼吸」と言われて、ボイストレーニングの業界ではよしとされない傾向にあります。
しかし、歌手の平井堅さんは、好みはあるにせよ高い歌唱力を持ったプロ歌手ですが、思い切り肩を上げて呼吸をしています。
胸式が悪い!腹式がいい!とよく問題になりますが、
そもそもの喉が自由な人間はどちらで歌おうが、平均以上の素晴らしい歌唱力を持ってして僕たちを魅了します。
逆に、「腹式呼吸を練習しているのに、高音が出ない!」と悩む方はどれくらいいるのでしょうかね。
、、もう想像つきますよね。
喉を自由にする方法
喉を自由にするためには、様々なトレーニングが必要ですが、僕が大事にしている考え方の1つに、
分離 強化 融合 という考え方があります。
何やら難しい言葉が出てきたなと思われるかもしれませんが、心配しないでくださいね。
地声と裏声の分離
地声と裏声を綺麗に分けて発声できるようにします。
地声と裏声なんて最初から出せるよと思うかもしれませんが、実は多くの方の地声と裏声はごちゃごちゃに結びついてしまっているのです。
純粋な裏声だけを発声しようとする→ 地声が混ざってしまう
純粋な地声だけを発声しようとする → 裏声が混ざってしまう
こんなふうに、地声と裏声を純粋な形で発声できない状態でトレーニングをしても中々うまくいかないことが多いです。
しっかりと地声と裏声を「分離」していきましょう。
地声と裏声の強化(確立)
綺麗に分けて発声できるようになった地声と裏声をそれぞれパワーアップさせていく段階だと考えてみてください。
僕もそうでしたが、地声と裏声の筋力バランスが整っていないということはよくあることなのですね。
それもそのはずで、例えば男性なら普段は地声で話しますから、裏声なんてほとんど使う機会もないわけです。
必然的に、
地声 → 強い
裏声 → 弱い
なんて状態になりやすいですね。
もちろん女性も、地声が裏声に対して弱い。。なんてこともあります。
ですから、男女関係なく、このステップはきちんと踏んでいくべきだと考えています。
地声と裏声の融合
分離・強化で整えてきた地声と裏声を混ぜていきます。
混ぜていくと言うとわかりにくいかと思いますが、簡単に言えば、
低音から高音までを
・ひっくり返ることなく
・張りあげることなく
スムーズに行ったり来たりできる仕組みを構築していくといったところです。
この仕組みを喉に構築することで、
・サビの高音で声が勝手にひっくり返る
・高音で張り上げて喉が締まる
といった悩みは解消されていきます。
知っているか知らないか
もちろん、これだけで全部解決するぜ!なんて話をしたいのでありませんが、この分離・強化・融合は
喉を着実に自由にしていくための1つの「型」のようなものだと考えています。
これの型を知らずして、ひたすら高い声の練習をしていたり呼吸の練習をしていたら、今こうして生徒さんを指導する立場にはいません。
きっと、裏声が出づらいままで、高い声も出せず、息が足りないで一曲歌いきれない状況が続いていたと思っています。
ぜひ、喉を根本から自由にしていくための本質的な情報を手に入れて、自由な喉を目指していただければと思います。
今回は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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