こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
今回はエレファントカシマシの宮本浩次さんの発声を解説していきます。
1. ギリギリ限界の張り上げ(叫び)
宮本さんの最大の特徴といえば、高音での叫びに限りなく近いパワフルな歌い方だと考えています。
普通の人があれをやったら一瞬で喉がご臨終になる可能性が高いので、いきなり目指すのは
オススメしませんが、
いい意味で”安全に張りあげることができるんだ”というお手本になっていると思います。
ボイトレでは、「絶対張り上げちゃダメ!リラックスして!」等々言われがちですからね。
でも実際はそんなことなくて、喉が自由になっていれば、張り上げのように安全に力強い高音を出すことも可能です。
2.喉の使い方
宮本さんの喉の使い方を解説します。
喉の使い方をしっかりと詳しく学ぶことで、宮本さんの声に近づいていけますのでぜひご覧ください。
まず、喉の仕組みについて簡単にご説明します。
【図:喉は筋肉によって宙吊りにされている】
上の図のように、喉は筋肉によって吊られているという事実を知っていただきたいんですね。
普通、喉は固定されていると考えがちですし、もちろん僕もそう思っていましたが、
それでは喉の可能性を閉ざしてしまっているのでもったいないです。
今日からは、”喉は宙吊りにされている”と覚えてください笑
そして、喉が宙吊りにされているということは、喉は自由に様々な方向に動かせるということです。
特に、喉は下の4つの方向に動かすことができます。
前上
前下
後ろ上
後ろ下
【図:喉は4つの方向に動く】
こんなふうに、喉は4つの方向に自由に動くわけですが、
宮本さんは
前下
後ろ上
方向に喉を引っ張り合いっこするように引っ張りながら歌っています。
【宮本さんの喉の使い方】
喉を前下に引っ張る → 深みのある声
喉を後ろ上に引っ張る →裏声っぽい明るい(軽い声)
こんなふうに、喉を引く方向によって声色が変わるのですが、
両方向に引っ張ることで、どちらの声色も宮本さんの中に感じることができます。
特に力強い高音で発声している時は、前下を強めに入れながら、後ろ上に引っ張るイメージだったり、
裏声っぽい高音の時は、後ろ上をメインに喉を引っ張っていたり、と
フレーズによっても曲によっても、喉を引っ張る方向を変えているので素晴らしい技術を兼ね備えているアーティストさんです。
前下 後ろ上
ということで、ここまで宮本さんの喉の使い方を解説してきましたが、
ここからは、実際に喉を宮本さんと同じような引っ張り方をしてみましょう。
喉を前下に引く
喉を前下に引くには、ボビー・オロゴンさんのような声で「オ」と発声するのがオススメです。
「お」という母音は喉を引き下げやすい母音なので、しっかりと口が「お」の形になっていることを確認しながらトレーニングをしていきましょう。
※音程は出しやすい音程で大丈夫です
【参考音源:ボビーオロゴンさんの真似で「オ」】
喉を後ろ上に引く
次に喉を後ろ上に引いていきましょう。
喉を後ろ上に引く時は、高音の裏声発声がオススメです。
【参考音源:高音の裏声発声】
そしてこの時一番注意しなければいけないのが、
軟口蓋(喉ちんこを含むプニプニした組織)めがけて声を当てることです。
そうすることで、喉も後ろ上に引き上げやすくなりますので試してみてくださいね。^^
今回は以上です。最後までご覧いただいてありがとうございました。
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