こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
今までトレーナーとしてたくさんの方の声を見てきましたが、
ミックスを出すだけなら、なんとかたどり着ける猛者がチラホラいます。
ただ実は、そこからが意外とミックスの難しいところだったりするんですよね。
ミックスは出せるし高音も何とか出せるけれど、歌に使えなくなるわけです。
たとえば
ミックスの高音が震えてしまったり、裏返ったり、ある音域でガクッと切り替わる感覚がしたり。
そんなふうになかなかミックスを安定させて歌に活かすのが難しくて
そこでストップしてしまう人は多いんですね。
そこで、今回はそんなミックスが安定しない方がミックスをガチッと安定させて
歌に活かせるようになるために
ミックスボイスが安定しないときの対処法について徹底的に解説していきたいと思います。
もちろん、その場しのぎのミックスのコツやテクニックを話すつもりはありません。
ミックスに必要な根本的な土台から見直して、圧倒的に安定するミックスの作り方を
理論的に解説していきます。
あまり知られていない理論やトレーニング方法が連発するので、最初はちょっとびっくりするかもしれませんが
正直今まで10年ほど研究してきた手法の中でも圧倒的に効果のあるものだけを厳選しているので
安心して取り組んでみてくださいね。
それでは、最後までゆっくりしていってください。
ミックスボイスが安定しないときの解決策
ミックスボイスが安定しないときの解決策としてやっていきたいのは、
発声の土台をきちんと固めることです。
土台というと、かなり抽象的になってしまうんですけど、
ここでいう土台固めというのは、
分かりやすくいうと“喉の筋トレ”です。
声を出すために必要な喉の筋肉をトコトン鍛えていくことが大切になってくるんですね。
たとえば、高い声を出しやすくするための筋肉や
高音の地声感を出すための筋肉など、
歌声の安定感を増すために必要な喉の筋肉を鍛えていけば、
ミックスボイスの安定感はグンと増します。
そもそも、ミックス発声をするためには喉の筋肉がまんべんなく、
全体的に鍛えられてないといけません。
ミックス発声は、スポーツと同じように喉の筋肉運動だからです。
僕らが腕や脚の筋肉を使って、歩いたり走ったりするのと同じように、
喉の筋肉をガッツリ使ってミックスを出していくんですね。
ただ、それに対して、僕らは普段の生活でミックス発声に必要な喉の筋肉を
鍛えることはできてないんですね。
だからこそ、喉周りの筋肉をガッツリ鍛えていくのが大切なのです。
喉の筋トレ
ここからは喉の筋トレの方法についてお話ししていこうと思います。
ここで話すのはボイトレの業界ではほとんど解説されていない方法ですし、
僕自身が10年弱かけて学んできたトレーニング方法です。
だから正直、無料で教えたくないくらい有益な情報です。笑
ですが一人でも多くの人の歌唱力が上がれば僕も嬉しいので、
惜しみなくガッツリ解説していきます。
ぜひ集中して読んでみてくださいね。
ミックス発声に必須な筋肉
ミックスボイスの発声に必須な筋肉として知っておいていただきたいのが、
下に示す筋肉たちなんですね。
【図:ミックスに必須な筋肉】
はい。ウエー、、筋肉とかわけわかんねーw
と思わないでくださいね。笑
筋肉の名前は覚えなくてもいいので、とにかく
この筋肉たちがあるおかげで、喉を4方向に動かすことができる、
とだけ覚えておいてください。
具体的には、
前上方向(=鼻方向)
前下方向(=胸方向)
後ろ上方向(=後頭部方向)
後ろ下方向(=うなじ方向)
と、こんなふうに喉は4つの方向に動かすことができるんですね。
そして、この4方向に喉を動かすことができる筋肉たちが
赤い枠で囲った筋肉なわけですが、
この筋肉こそが、ミックスボイスを発声しているときに必須な筋肉たちなんですよ。
例えるなら、人間で言うところの両手両足レベルに重要な筋肉です。
ただ、一方で僕らの喉の筋肉は弱いんですね。
普段の生活で、喉を4方向に動かす機会なんてほとんどないので、
なかなか筋肉が鍛えられないわけです。
だからこそ、ボイストレーニングで徹底的にこれらの喉の筋肉を鍛えていくのが
大切になってきます。
実際のトレーニング
実際にトレーニングをやっていきましょう。
トレーニング1:前上
まずは、喉を前上方向に引っ張る訓練からいきましょう。
やり方は、志村けんみたいな平べったくてペラペラした変な声を出します。
【参考音源:ペラペラした変な声】
こんな感じですね。
この声で、下記の音声でトレーニングしてみてください。
音域に関しても、音声のままやってもらえれば効果的にトレーニングできるようになってるので安心してくださいね。
【参考音源:前上】
トレーニング2:前下
次は前下方向です。喉を胸の方向にグッと引き下げます。
ガッツリダンディな深みのある声を出していけば、自然と喉は前下に引き下がるので
やってみましょう。
【参考音源:ダンディな声】
繰り返しになりますが、ガッツリわざとらしくダンディな声を出すのがコツです。笑
慣れてきたら、下の練習音源でトライしてみてくださいね。
【練習音源:前下】
トレーニング3:後ろ上
次は後ろ上です。
喉をガッツリと後ろ上に引っ張っていきます。
声を出すイメージとしては、ミッキーマウスの真似ですね。
ミッキーになりきって声を出してみてください。笑
【参考音源:ミッキー】
これも慣れてきたら、実際のスケールで練習してみましょう。
口の形は上の参考音源と同じで、「や」で練習していきましょう!
【練習音源:後ろ上】
トレーニング4:後ろ下
最後は後ろ下ですね。
後ろ下は、さっきのトレーニング3:後ろ上で練習したミッキーマウスの声を
より野太くダンディーにするイメージです。
ダンディーなイケメンなミッキーって感じですね。w(意味不明)
【参考音源:ダンディ(?)なミッキー】
人によっては、声をうなじに当てるイメージでもいいかもしれません。
ただ、僕も含めて「声を〇〇に響かせる」とか
「声を当てる」みたいな感覚論が分かりにくい人もいると思うので、
それならモノマネの方が分かりやすいのかなと思います。
ということで、後ろ下でも
他のトレーニングと同じように訓練していきましょう。
【参考音源:後ろ下】
ミックスの仕上げ練習
土台が整ったら、次はミックスで安定して歌えるようになるための仕上げの練習ですね。
ミックスボイスなのに裏返ってしまったり、声が切り替わる感覚がある人には
うってつけの練習を公開します。
正直難しいですが、その分コツコツ取り組めばめちゃくちゃ効果を見込めます。
あまりこのトレーニングをよそで話している人がいないのですが、
僕自身、今まで10年ほど様々なトレーニングを見てきても、
その中でもダントツで効果があるトレーニング手法です。
これが完璧になれば、どんな曲でも思い通りに歌えるようになると断言できるので、
ぜひ一緒に練習していきましょう。^^
同じ音程で地声と裏声を行き来する
具体的なトレーニングのやり方は、シンプルです。
小さな裏声「ウ」から大きな地声「ウ」に移行し、また小さな裏声「ウ」に戻していきます。
裏声から地声に繋いで、また裏声に繋いでいく、という鬼畜トレーニングです。w
こんな感じですね。
【参考音源:地声と裏声の行き来】
(もちろん、最初は難しいので声をゆらさなくてもOKです。
慣れてきたら揺らしてみてください。)
こんなふうに、同じ音程でスムーズに地声と裏声を繋いでいくことで、
ミックスボイスはどんどん安定していくようになります。
結局、ミックスは地声(の筋肉)と裏声(の筋肉)をスムーズに入れ替えることができれば、
安定するとされているわけですけど、
まさにこのトレーニングでは、その動きをするように設計されているので
めちゃくちゃ実力がつくわけです。
もちろんやってみると最初は難しいです。
僕も全然できませんでした。
途中で声がガクンとひっくり返ったりして、本当に大変だったのを覚えてます。
それでもコツコツトレーニングを続けていくと、
だんだん声のひっくり返りが小さくなってきたんですよね。
こんなふうにして、継続していくうちにだんだんと声のひっくり返りは
おさまってくるので最初はできなくても安心してください。
一緒に頑張っていきましょう。
それでは、また記事を更新しますね。
ありがとうございました。
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