こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
「沢山練習しているのに、ヘッドボイスからミックスボイスにならない。。」
「張り上げてしまって、ミックスボイスにならない!」
と、6年前の僕が思っていたのは懐かしい思い出ですw
最近って、本当に動画やらブログやら情報が溢れかえっているので、何をやればミックスボイスを習得できんだよ!と叫びたくなりますよね。(汗)
でも、結論から言ってしまうと、ミックスボイスはきちんと「型」を知れば誰でも習得することができます。
ということで、今回は
・ミックスボイスを習得できない理由
・ミックスボイスを習得するため
一般的には出回っていない貴重な情報を惜しみなく公開しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
【参考歌唱音声:Pretender】
※ミックスボイスで歌った音源です。
目次
1.ミックスボイスを習得できない3つの理由
散々色々なトレーニングをやっても、ミックスボイスを習得できない!と思っている方も多いと思いますが、
きちんとそれには理由があるんですね^^
ここでは、ミックスボイスを習得することができない理由を徹底解説していきます。
理由① 息の量が多すぎる
息の量が多すぎると、ミックスができない原因になります。
というのも、吐く息の量が多すぎると、声帯のコントロールが難しくなっちゃうんですよね。
実際、僕もこれは過去にやらかしてまして。。
高い声を出すなら、勢いが大事だ!とワケの分からないことを歌が上手い知人に教えられて実践してみたのですが、
見事に声が枯れて終わったのを思い出します笑
理由② 仮声帯が声帯の邪魔をしている
「は?声帯?仮声帯?何それ?」と思うかもしれませんが、安心してください。笑 丁寧に解説します。
声帯 → 声を出すための2枚のパーツ
仮声帯 → 声帯の少し上に位置しているパーツ
【図解:声帯と仮声帯の関係】
このように、仮声帯というパーツは声帯のちょっと上にあるパーツなんだな〜ということが分かっていただければOKです。
で、仮声帯が働いている時の声なのですが、あの有名Youtuber ヒカキンさんの冒頭の挨拶「ブンブン ハロー Youtube!」の「ブンブン」が仮声帯が働いている音になります。
「え?この仮声帯の何が問題なの?」と思いますよね?
実は、この仮声帯、実は声を出すための声帯の近くにあるがゆえに、仮声帯が声帯をバチバチと邪魔してしまう可能性が非常に高いんです。
もちろん、ミックスボイスは声帯がスムーズに振動しなければ特に最初は習得が難しいです。
そんな繊細な技術を習得しようとしているところに、仮声帯が「バチバチバチ!」と邪魔してきたら、できるものもできなくなるのは想像に難くないはずです笑
ですから、大切なことは仮声帯が声帯の邪魔をしないように、仮声帯と声帯を”分離する”ということなのです。
この具体的な方法論については、この記事で後ほどお伝えしますから、安心してくださいね。
理由③. 脱力しすぎている
ちょっと驚くかもれませんが、脱力しすぎもダメなんです。(汗)
なぜなら、脱力しすぎると”ただの裏声”になってしまうからです。
ミックスボイスは裏声にひっくり返すことができます。
【参考音源:ミックスボイスは裏声にひっくり返すことができる】
ですから、もし今あなたがミックスボイスだと思って発声しているものを裏返すことができなければ、
残念ですが、それはミックスボイスではないので、注意してくださいね。
ミックスボイスを習得するための3ステップ
ここからは、本当の意味でミックスボイスを習得していくための3つのステップを解説していきます。
もちろん、ここで解説するのは着実に成果を出すための正攻法です。
ちゃんとやれば確実に結果が出ます。
だから
「一瞬で!ミックス!」とか
「1日でできるミックス!」
みたいな小手先のコツは紹介しません。全然効果ないので。
そういうコツで成長できないのは分かっているかもしれませんが、そういうのを探している方は別のサイトを探してみてください。
ということで、本気でミックスボイスを習得したい人はこの先も集中してみていってくださいね。
STEP①地声と裏声を分けよう
まず最初に、地声と裏声を丁寧に分けて発声できるようにしていきます。
「いや、地声と裏声が分かれているから困っているんだ!」と思うかもしれないですが、
実はほとんどの人が、地声と裏声がごちゃごちゃに絡まった状態になっていて、綺麗に切り離して発声することができないんですね。
- 地声を出そうとしても、裏声が混ざってしまう
- 裏声を出そうとしても、地声が混ざってしまう
こんな状況にある方が多いんですね。
【図解:地声と裏声が絡まった状態】
だからこそ、いきなり地声と裏声を混ぜようとするのではなくて、地声と裏声をちゃんと徹底的に分けるようにしましょう。
100%の地声
まずは、100%の地声を出してみましょう。
普通に「ア」と地声を出すだけでOKです。出しやすい音域で出してみてください。
【参考音源:100%の地声】
この時、息が漏れたりしないように注意しながら力強い地声を出してくださいね。
100%の裏声
次は100%の純粋な裏声ですね。
純粋な裏声は息がたくさん漏れた裏声です。
「フー」と息を漏らして発声してみましょう。出しやすい音域でOKです。
【参考音源:100%の裏声】
こんな感じで、地声と裏声を徹底的に分離すると、のちのち地声と裏声をミックスさせやすくなるので、
面倒なんですけど、ちゃんとやっておくことをオススメします。
STEP② 地声と裏声を鍛えよう
STEP①で分離した地声と裏声を丁寧に育てて強化していきます。
ふつうは、地声と裏声の筋力バランスに差がありすぎるので、
それを同じくらいのバランスに整えてあげる必要があるんですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが悪い】
地声と裏声のバランスが悪い状態ですね。
【図:地声と裏声の筋力バランスが良い】
(トレーニングによって、地声と裏声のバランスが取れた状態です。こっちを目指していきます。)
地声と裏声の筋力バランスが整うと、これまたのちのち地声と裏声を混ぜやすくなるので、
ちゃんと鍛えておきましょう。
地声を鍛える
まず地声です。地声を徹底的に鍛えていきます。
変な薄っぺらい声で「イ」と声を出してみましょう。
【参考音源:薄っぺらい変な声で「イ」】
裏声を鍛える
次に裏声ですね、これはシンプルです。
何も考えずに、何も意識しないで裏声「ホー」と出してください。
え?何も考えないの?と思うと思うんですが、
そのままちゃんと継続していけば、裏声は徐々に力強く声量も出るようになってきます。
昔の僕みたいに、「おりゃー!!強い裏声じゃー!!」
と、それこそ裏声にエッジボイス を混ぜるとかしちゃいけません笑
【参考音源:何も考えずに裏声を出す】
じっくりと裏声が育つのを待ちましょう。何も意識しないのがポイントです。
SETP③ 地声と裏声を混ぜよう
最後はいよいよ、地声と裏声を混ぜていきましょう。
今まで整えてきた素材を使って、ミックスボイスのトレーニングをしていきます。
そうすることで、低音から高音までひっくり返ったり張り上げたりすることなく歌えるようになります。
本当にたくさんのトレーニング方法がありますが、ここでは分かりやすい方法を1つ紹介します。
地声と裏声を混ぜるトレーニング
小さい声で地声を出します。
小さい声で地声を出そうとすると、どうしても裏声になりがちなんですが、
そこをちゃんと我慢して小さい地声で踏ん張るイメージです。
【参考音源:小さい地声】
出しづらいちょっと高めの音域でやるのがポイントで、
C4〜E4(真ん中のドレミ)あたりでやるのがオススメです。
これができたら、徐々に声を大きくしていきましょう。
【参考音源:声を大きくしていく】
苦しくならず、裏声ではない声で出せていればミックスです。
感覚的には、軽い地声って感じですね。
もちろん最初は習得が難しいので、コツコツと練習を続けてミックスボイスを習得していってくださいね。
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