こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
今回は、一生懸命練習しているのに歌が上手くならない理由を現役ボイストレーナーが徹底解説します。
ぜひ最後までご覧くださいね。
1.日本特有の感覚に頼ったトレーニング
感覚に頼ったトレーニングは、歌の上達を遅らせる大きな原因になります。
というのも、多くの日本のボイストレーニングでは、
「頭に響かせて!」
「鼻に響かせて!」
といったトレーナー個人の感覚に頼った指導が普通にまかり通ってしまっているんですね。
実際に、
先生「鼻に響かせて」
金子(私)「響かせてます」
先生「いや、響きの位置を高くしていくんだよ!」
金子(私)「響きを上に持っていくように頑張っています!」
先生「…」
こんなやりとりはどのスクールのどの先生に当たっても、もはや定番のやりとりでした。笑
しかし、このような感覚的な指導は、
”すでに正しい発声ができる人間にしか分からない”
という点で、大きな問題があるのです。
ちょっと分かりにくいかもしれないので、実験をしてみましょう。
胸に手を当てて、おもいきり低い地声を出してみてください。
きっと、あたかも胸が振動したように感じると思います。
でもその時あなたは
「胸に声を響かせてやるぞ!!」
とは一切考えなかったはずです。
低い声を出したら、勝手に胸が振動する感じがした
ただ、それだけのことですよね。
高音もそれと全く同じなのです。
正しい発声で高い声を出すと、”結果的に”鼻や頭に響きを感じるのです。
でも、それは正しい発声で歌えている人間だからわかることであって、まだ正しい発声を習得していない段階の方が
いくら頭や鼻に声を響かせても上手くなることはほとんどないのです。
つまり、感覚的な指導は、”結果論”ということです。
着実に歌唱力を高める2つのステップ
確実に歌唱力を高めることができる2つのステップは、とてもシンプルです。
ステップ① 発声の力を高める
ステップ② 実際に歌う練習をする
たった2つのステップを踏むだけで、誰でも歌が上手くなるのですね。
一つ一つ解説していきます。
ステップ① 発声の力を高める
発声とは声の出し方ですが、
この声の出し方を徹底して高めていくことが、何よりも優先すべきことです。
というのも、声の出し方が上手くないと、
高い声を地声のように出したい(理想) → 高い声は裏声でしか発声できない(現実)
疲れずに大きな声を出したい(理想) → どんなに大きな声を出しても、遠くまで響く声にならない(現実)
などなど、思うように表現することができないからです。
だからこそ、まずは徹底して声の出し方、つまり発声の力を高めていき、
どんな表現にも対応できる土台をしっかりと固めていきましょう。
もちろん、その時は、感覚的な曖昧なトレーニングではなく、
科学的な根拠に基づいた効果的なトレーニングをしていくのが大切です。
ステップ② 実際に曲を歌う練習をする
ステップ①の発声の力を高めるだけでも、相当なレベルまでいけると思います。
地声のような高い声
パワフルな声量
全て手に入ります。
がしかし、それだけは高い歌唱力には一歩届かないのも事実です。やはり実際に歌う練習をしないことには、高い歌唱力には到達できません。
ですから、実際に曲を歌っていく練習をしていきましょう。
ただし!
ここからが重要なのですが、やみくもにカラオケに行って好きな曲を歌いこんでもなかなか歌の上達は見込めません。
歌が上手くなる”明確なロジック”を知った上で、曲の練習をしていくべきです。
普通、
「もっと感情を込めて!」
「抑揚をつけて!」
等々、曖昧な指導がされることが多いのですが、なかなかそれではどのように歌ったらいいか分かりません。
だからこそ、そういった曖昧な方法ではなく、
このような抑揚の付け方は、顎を使った抑揚のつけ方だ
このような音の取り方は、音を2つで捉える洋楽的な音の取り方だ
こんな風に、”歌が上手い”という抽象的な要素を、言葉で言い表せる要素に
細かく分解していくのです。
このように、ステップ①の発声の力を高める段階にしても、
ステップ②の、実際に曲を歌う練習にしても、
明確な根拠があるトレーニングをしていくことが大切です。
「これなら確実に歌が上手くなる」と確信を持って毎日ボイストレーニングに取り組めているかを今一度確認してくださいね^^
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