こんにちは、ボイストレーナーの金子太登です。
昨日視聴者さんから
「カラオケで歌う時、高音だと力が入って
裏返ってしまいます」
といった質問をもらいました。
高音が苦しいのは本当に辛いですよね。。
僕も、変声期で声変わりしてからとういものの、
実に4年ものあいだ高音に苦しめられたので、
高音が出ない人の気持ちはよくわかります。
僕の場合は、サビの高音はおろか、
すでにAメロの低音から喉が苦しくて、
2、3曲歌うだけで声が枯れて、裏声が出なくなってましたからね。笑
カラオケ行っても歌える曲が全然なかったので、本当に辛かったです。
だからこそ昔の僕のように
高音に苦しめられている人が一人でも少なくなればと思って
この記事を書くに至った次第です。
今日からすぐに練習できるものなので、
記事を読みながらトレーニングしてほしいなと思います。
動画で解説
公式Youtubeチャンネルでも分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。^^
地声を高くする裏声トレーニング
地声で高音を出すためには、裏声の練習をしましょう。
理由はシンプルで、
地声で高音を出すために必要な筋肉が鍛えられるからです。
僕らの喉には、”声帯”と呼ばれる声を出すために必要な2枚のパーツがあります。
肺から送られてくる息がその声帯を震わせることで、声が出るわけですが、
高音を出すためには、
その声帯をピン!と伸ばす必要があるんですよ。
わかりやすくイメージするなら、声帯を輪ゴムだと思ってください。
たるんたるんに弛んだ輪ゴムを弾くよりも
ピンと輪ゴムを張った状態で弾く方が
高音が出ますよね。
声帯も同じです。
つまり地声で高音を出すためには、
いかに声帯を強く伸ばすための筋力(筋肉)をつけていけるか。
ここが重要になるわけです。
そして冒頭でお話ししたとおり、
正しく裏声を出すトレーニングを組めば、確実に声帯を伸ばすための筋肉を鍛えることができるのです。
息がたくさん漏れた裏声をで「ふー」と声を出してみてください。
【参考音源:息が漏れた裏声】
そしてこの時に、裏声に芯が入ったり
力強い声にならないように注意してください。
【参考音源:力強い裏声(失敗例)】
力強い裏声になっているということは、
地声の筋肉が働いているということです。
つまり、トレーニングの負荷が地声にも分散するので
非効率なんですね。
だからこそ、
息が漏れた純度100%の裏声を出せるようにトレーニングしておきましょう。
楽に地声を出す感覚をつかむトレーニング
次は、いよいよ地声で高音を出す練習ですね。
ただ、いきなり強い声を出そうと思っても難しいので、
まずは小さい声で地声を”楽に”出せるようにします。
小さい声で地声を出すと、自動的に裏声の筋肉も
サポートしてくれるので、
地声オンリーで発声するより、はるかに楽に高音を出せますからね。
(地声の筋肉と裏声の筋肉を同時に上手に使っている状態をミックスボイスと呼んだりします。
詳しくは【保存版】ミックスボイスを出す練習方法や仕組みを超解説を参照)
ちなみに僕がボーカルコーチに教えられたのは、
小声でハミングする訓練法です。
ハミングで、低音から少しずつ
サイレンのように移行する練習をガッツリをやっていました。
【参考音源:ニッコリハミング(小声)】
これをひたすらやっていると、
地声が軽い体感で出せるようになってきて、
叫ばなくても高音が出るようになっていく感覚をつかめるようになったんですよ。
「あれ?地声なんだけど、なんか高音が楽に出てる!」みたいな。笑
今までは、喉を絞って
ニワトリが首絞められたみたいな奇声を出していたので、楽に高音を出せるようになった時は感動でしたね。
実際、継続してもらえれば言っていることがわかると思うので、
まずここまでやってみてください。
地声を力強くするトレーニング
そして、最後です。
今のままだと、弱々しい声で歌に使えないので
地声を力強く出せるようにしていきます。
おすすめは“両手を押しながら声を出すこと”です。
神様に向かって手を合わせる時みたいに、しっかりと両手を合わせて
グッと力を込めて押しながら、声を出す。
そうすることで、両手を押すというアクションで生じた力が、
身体をつたって間接的に声帯の閉鎖を促してくれるのです。
これは、重い荷物を運ぶ時とかに、自然と「ヴヴヴヴ!」
とうなり声が出てしまう例がわかりやすいですね。
重い荷物を運ぶ → 身体に力が入る → 間接的に声帯の閉鎖を促す。
この原理を利用したトレーニングです。
ということで両手を押した状態で、
「ガッガ!」と一回一回息を止めながら地声を出す訓練をしていきましょう。
【参考音源:ガ】
ここまでくれば、あとは何か好きな曲を歌ってみて
馴染ませていくだけです。
色々な曲にどんどんトライしてみてくださいね。
もちろん地声で高音を出すためのトレーニングは他にもたくさんありますが、
それでも今日紹介したトレーニングだけでも、ポーンと地声で高音が出るようになる人は出てくると思いますので、
コツコツ練習してみてください。
それでは、ありがとうございました。
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