こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
今回のテーマは、仮声帯と声帯の分離です。
これまた専門用語連発ですみません。笑
でも全く難しい内容じゃないので、安心してくださいね。
さて、僕自身ミックスボイスの習得に何年も苦労したんですが、
その理由の一つに
今回お話しする喉のパーツ「仮声帯(かせいたい)」があります。
この知識を知らなかったばかりに、軽く1、2年は
ミックスの習得が遅れているので、めちゃくちゃ後悔しています。笑
だからこそ、今回は昔の僕みたいな被害者を増やしたくないので
ガッツリ仮声帯について解説していきますね。
今回のテーマを理解すると、
ミックスボイスなどの高音発声の習得に大きく近づきます。
といいますか、これだけでミックスの原型に辿り着く生徒さんもいるくらいです。
それくらい重要なテーマなので、ぜひガッツリ学んでいきましょう。
高音発声を邪魔する?仮声帯とは?
今回のテーマ「仮声帯」について深く話す前に、仮声帯の前提知識を
ちょっとだけ共有させてください。
仮声帯というのは、咳払いをするときにガラガラっとノイズを
鳴らすときに働く喉のパーツです。
【図:仮声帯】
声を出すためのパーツ「声帯」の少し上にあるのが仮声帯なんですが、
これが声帯に触れることで、声がバリバリガラガラします。
試しに喉を思いっきり喉を上げて、変な声を出すと声がバリバリすると思いますが、
それは喉を上げるとそれに連動して、仮声帯が声帯に触れる性質があるからです。
仮声帯と声帯を分離する
ここまで仮声帯の話をガンガンしてきたんですが、
なぜここまで仮声帯が大事なのか?というと、
仮声帯がミックス習得の邪魔をすることがあるからです。
そもそもミックスボイスは、声帯の繊細なコントロールが必要な
スキルです。
でもさっき触れた通りで、仮声帯と声帯の距離は近いので
仮声帯が声帯にバチバチ当たって、声帯のコントロールがやりづらくなっちゃうんですよ。
実際、僕も地声と裏声をスムーズに繋ごうとしても、
換声点のあたりで、「ガラガラ」とノイズが入ってしまって、
ものすごく繋ぎづらかった時期があるんですよね。
今思えば、それは仮声帯が原因だったんです。
(もっと早く知りたかった。泣)
だからこそ、仮声帯を声帯から離すのが大事になってきます。
つまりこれが仮声帯と声帯の分離なんですよね。
トレーニング
じゃあ具体的にどうやって仮声帯と声帯を分離していけばいいのか?
ということで、トレーニング方法について触れていきます。
笑顔でハミング
口角を上げて笑顔でハミングします。
小声の地声で発声していくようなイメージですね。
「なんで笑顔?」と思うかもですが、
ガッツリ口角を上げて笑顔になると、生理的に仮声帯が離れるので
口角を上げて笑顔でやることを推奨しています。
ガッツリ笑顔。意識してくださいね。笑
【参考音源:笑顔でハミング】
低音から高音までスムーズにスライドさせていきます。
ちなみにこれ、めちゃくちゃ難しいです。笑
僕も昔は高音で声がひっくり返ったり、叫んでしまったりして
全然低音と高音が繋がりませんでした。
でもコツコツと練習を続けていったら、徐々に高音まで
スムーズに繋がるようになってきたんですね。
もちろん、生徒さんもみんな似たような過程を辿っています。
だから安心して練習していきましょう。
注意点
① 息漏れNG
これは公式ラインでもガッツリ解説している内容なんですが、
息漏れして声帯が開くと、
声帯の仕事を代わりに仮声帯がやろうとして、仮声帯が介入してくるんですね。
なので息が漏れないように
しっかりと息を止める意識で練習していくことが大切になってきます。
② 口角下げNG
口角下げは、効果が無効化されるのでNGです。笑
僕の生徒さんでも、口角が下がってしまっている人は
多いので、ここに関してはガッツリ指摘するようにしています。笑
まとめ
今回の内容のまとめです。
・仮声帯は声帯の近くにある喉のパーツ
・仮声帯が声帯の邪魔をすることで、ミックスの習得が遅れる
・仮声帯を離すには”笑顔でハミング”
それでは、ありがとうございました。
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