こんにちは! ボイストレーナーの金子太登です。
今回は、ミックスボイスを習得するために必須な3STEPを丁寧に解説していきます。
Youtubeのミックスボイスの動画を沢山みて練習しているのに、
全然ミックスができる気配がない…!高音が苦しい…!
と悩んでいる方は多いと思うので、
特に昔の僕のように、
ミックスボイスの練習だけに集中している方にとっては、
“非常識”に思えてしまうほどの情報をお教えします。
今回お話しする3つのステップのどれがかけても、ミックスボイスを習得できなくなってしまうので、
ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
動画で解説
長編動画ですが、10年かけて研究してボイトレノウハウをめちゃくちゃ詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
STEP① 地声と裏声を分離する
僕の場合、学生時代からミックスの練習には手をつけていて、
その当時は、声を出せる場所ならいつでもどこでも
ひたすらミックスの練習をしてました。
通学中の自転車でも、ちょっと人目を気にしながら「ネイネイ…」
体育館でも「ノウノウ…ゴッゴ…」
当然家に帰ったら、馬鹿でかい声で「ネイネイネイ!!ノウノウ!!!ゴッゴッゴ!!!」
…
いや、もう完全にミックスに取り憑かれてましたね笑
ただ、そこまでして
一向にミックスボイスを習得できる気配はありませんでした。
まあそれも当然で、僕の場合
“地声と裏声を徹底的に分ける”
という初歩のステップを完全にすっ飛ばしてたからなんですよね。
(というより、そもそも知らなかったんですけども。)
「え?地声と裏声なんて最初っから分かれてるじゃん」
と思うかもしれません。
確かに、なんとなく地声と裏声を分けて発声できる方は多いです。
でも、実は
“純粋な100%の地声”と、
“純粋な100%の裏声”に分ける事ができていないんですね。
ということで、もうちょっと深掘って
・純粋な100%の裏声
・純粋な100%の地声
とは、何なのか
を分かりやすく解説していきます。
ここからが超重要なんで、集中してついてきてくださいね。
純粋な裏声って何?
まず、純粋な裏声ですね。
純粋な100%の裏声は、息がたくさん漏れたこんなカンジの声です。
【参考音源:純粋な裏声】
どうでしょうか。
息がたくさん漏れているのが分かると思います。
ただコレ、実際やってみると、
・息が漏れずに声に芯が出る(強い声になる)
・息だけ抜けてから、遅れて声が出る
など、勝手に地声の要素が裏声に混じってきちゃうケースが多いんですね。
【参考音源:勝手に地声が混ざった例】
もちろん、意図して強い声にしているならいいんですけどね。
息漏れさせようとしても、強い声になっているとしたら相当危険です。
最悪、裏声を出せなくなる可能性もありますし、(実際、知り合いにいます)
今すぐに息がたくさん漏れた裏声を練習していきましょう。
純粋な地声
純粋な地声はさっきとは違って、完全に息漏れがない声です。
息漏れゼロのしっかりとした力強い地声。これが純粋な100%の地声です。
【参考音源:純粋な100%の地声】
このとき息がたくさん漏れたり、弱々しい声になって声量が出ないようなら、
無意識のうちに裏声が混ざってしまっています。
コレを聞くと
「こんなの楽勝…!」と思うかもですが、
意外とできなかったりするので、ぜひ録音して注意深く聞いてみて欲しいです。
僕なんか、当時のトレーナーから、
「いや、声の出し始めで息漏れすぎ!」
「だめだめだめ!声帯離れちゃってるよ!」
と怒鳴られる始末でしたw
息を止めて、窒息するか!!ってほどの勢いでやっても、この有様でしたからね…笑
たしかに僕がセンスないのもありますけど、思いのほか昔の僕みたいに
勝手に地声に裏声が混ざってきてしまう方は多いです。
ということで、
こんなふうに、地声と裏声が本当の意味で分離されていないと、
そのままの状態で、地声と裏声を混ぜようとしても確実に上手くいきません。
まずは、面倒でも地声と裏声を綺麗に分けて発声していきましょう。
STEP② 地声と裏声を強化する
次に、徹底的に分けた地声と裏声を強化します。
と言うのもほとんどの人の場合、地声と裏声の筋力バランスが悪いからです。
特に男性の方。ちょっと考えて欲しいんですけど、
普段裏声で話すことってありますか…?
僕もそうでしたけど、裏声が登場する時なんて、
せいぜいカラオケで高音の曲を歌う時くらいのもので、
普段の生活で裏声を使う場面なんて、当時は全然なかったんですよね。
(もちろん、クロちゃんみたいに「ワワワワー!」と裏声のような声で話す人の場合は
別ですが…汗)
となると、
普段使っている地声 → 鍛えられて強くなる
普段使っていない裏声 → 鍛えられないので、弱いまま…
こんなふうに、地声の筋肉と裏声の筋肉の発達具合に差が出てしまうんですよ。
【図:地声と裏声のバランスが悪い】
やっぱりそんな状態だと、バランスよく地声と裏声を混ぜていくことは難しいわけですね。
だからこそ、せっかく地声と裏声を分けたのなら、
それを両方とも、徹底的に同じバランスになるまで強化していく必要があるわけです。
【図:地声と裏声のバランスがいい】
裏声を鍛える
裏声を鍛える上で、
まず僕がトレーナーから教えてもらったのは、
「何も考えないで裏声を出すこと」でした。
僕も、「何も考えないってどういうことやねん」と驚いたんですけどね、
コレ、本当に何も考えずに無心になって裏声を出せばいいんです笑
【参考音源:無心で裏声を出す】
基本的に、僕らが裏声を出す時って
「もっと強く出そう…!」
とか
「優しく出そうかな…!」
とか無意識にいろいろ考えちゃうじゃないですか。
でもそうすると、ちゃんと裏声が鍛えられているかどうかの判断がつかなくなっちゃうんですよね。
意識して強く裏声を出している → 裏声が強い
何も意識ないで裏声を出している → 裏声が強い
当然、コレには大きな差があります。
だからこそ、“無意識で何も考えない”という一定の条件で発声を固定してあげることで、
裏声が強くなってきたら、それはボイストレーニングによる効果だと判断できるのです。
なんか理科の実験みたいですね笑
地声を鍛える
地声を鍛える方法も、いろいろありますが、
分かりやすいのは、喉をしっかりと上げて変な声を出すことですね。
【参考音源:喉を上げた変な地声】
こんな感じのペラッペラな変な声を出すことで、
喉の中にある声を出すパーツ、声帯がしっかりとくっついてお仕事をしやすい状況を作ってあげます。
もちろん、歌には使えない事がほとんどなので、トレーニングとして割り切って練習してみてくださいね笑
STEP③ 地声と裏声を混ぜる
最後に、いよいよ地声と裏声を混ぜていきます。
地声の筋肉と裏声の筋肉をバランスよく使うトレーニングを中心に、
ミックスボイスを習得することに特化したトレーニングをしていくことで、
一気にミックス習得に近づいていけるわけです。
小さな地声でミックスを習得
小声で地声を出していきます。
音域は、C4〜E4(真ん中のド〜ミ)でやってみましょう。
注意点は、
大きな声で張り上げないこと
裏声にひっくり返らないこと
この2つです。この2つを守っていただければOKです。
では、やっていきましょう!
【参考音源:小声で地声】
この声が取り出せたら、完璧とは言えなくてもミックスボイス的な発声になっているかと思います。
小声を大きくしていく
先ほど発声した小声を大きくしていきましょう。
小さな地声から大きな地声に移行するときに、裏返らないように注意してください。
もし裏返ることなく安定して発声できたら、ミックスボイスといっていいでしょう^^
【参考音源:小声を大きくしていく】
いかがでしょうか。ここまでできていれば、(クオリティは考えなければ)もうミックスボイスは習得していると考えていいです。
ただ、ここまで読んでくれている方ならもう分かりますね。
ミックスの練習で効果を得る事ができるのは、しっかりと地声と裏声を分けて、鍛えて…という
土台を作ってきた人だけなのです。
多くのインターネット上にある情報には、この部分がすっぽり抜けてしまってます。
だからこそ、今回はむかしの僕みたいに、いきなりミックスボイスの訓練に集中して爆死する方が
一人でも減ればいいなと願ってこの記事を書きました。
一緒にミックス習得しましょう!
最近歌を練習し始めて色々動画を見たんですがこれが一番わかりやすかったです!頑張って練習します!
コメントいただきありがとうございます^^ そう仰っていただけて嬉しいです^^ これからもどうぞよろしくお願い致します。
最近強い裏声を出すことができるようになってきました( *˙ω˙*)و グッ!
G4#くらいまでしか出ないですけどね(´°ᗜ°)ハハッ..