ミックスボイスで歌う歌手｜実例から学ぶミックスボイス

こんにちは、ボイストレーナーの金子です。

今回のテーマは、”ミックスボイスで歌う歌手”です。

プロの歌手がどんな発声で歌っているのか？気になっている人も多いと思うので

このテーマに触れることにしました。

「憧れのシンガーはミックスボイスなのか？はたまたベルティングなのか？」

「なぜあんなに楽々高音が出てしまうのか？どうすれば自分もそうなれるのか？」

色々と疑問は尽きないと思うんですが、今回の記事を読めば解決します。

さらにいうと、この記事を読めば

プロの発声を知ることができるので声を聴き分ける耳も育ちますし、ボイストレーニングで歌が上手

くなるスピードも断然早くなります。

最後までゆっくりしていってくださいね。

ミックスボイスで歌う歌手

さっそくミックスボイスで歌う歌手についてみていきましょう。

ちなみにここで紹介するのは地声と裏声がスムーズに繋がる「ミックスボイス」の使い手だけを

厳選しています。

地声の延長で高音を当てにいく「ベルティングボイス」を扱うシンガーを知りたい人は、

スクロールしてベルティングのシンガーまで飛ばしてOKです。

平井堅さん

ミックスボイスの使い手として、一番分かりやすいのは平井堅さんですね。

低音〜高音までスムーズに地声と裏声が繋がっていて、喉の力みがほとんどない楽な発声で

歌っています。

「瞳をとじて」のサビのトップの音はG4付近なんですが、（人によっては）地声で叫べば出ないこと

はないと思います。

でも苦しいし、何より平井堅さんみたいな柔らかく美しい雰囲気にはならないと思うんですよね。

叫んでしまって雰囲気がぶち壊しになってしまうと思います。

かといって、完全な裏声で発声するとヘロヘロして弱々しくなってしまうじゃないですか。

そんなイヤーな音域だと思うんですよね。我々男にとっては。笑

にも関わらず、彼がここまで柔らかくスムーズに高音を出せているのはミックスボイスを完全にマスターしているからです。

だからこそ、僕もミックスの習得を目指す生徒さんには、一旦は彼のミックスを手本に練習してもらうことも多いです。

最終的に地声で高音をぶち抜くベルティングを習得するにしても、その土台にあるのはミックスなので、平井堅さんのミックスを参考にするのはおすすめですよ。

槇原敬之さん

槇原敬之さんも、ミックスボイスが上手なアーティストの一人ですね。

この曲のトップはA#4で、粉雪のトップの音の半音上に当たるんですが、

男からすると結構な高い音域になってきます。

人によってはどんなに叫んでも出せない音域ですね。

実際、僕がボイトレを始めた頃なんて、そもそもこの音域が裏声でも出せませんでしたからね。笑

でもそんな音域でも槙原さんは、叫ぶこともなく声を完全に裏返すこともなく、

スムーズに歌っているわけで、やっぱりめちゃくちゃ歌上手いな〜と改めて感動してしまいました。

（プロなので当たり前ですが）

槙原さんの曲は音域が広い曲が多いので、平井堅さんの曲を難なく歌えるようになってきたら

槙原さんの曲にチャレンジしてみるのがいいですね。＾＾

幾多りらさん

女性だと、幾田りらさんはミックスボイスのシンガーとして分かりやすいと思います。

柔らかい声で地声から裏声までスムーズに行き来しているので、そもそも声の切り替え

がほとんどないんですね。

だからどこからが地声でどこからが裏声か？めちゃくちゃ分かりづらいと思います。

そんな透明感のある柔らかいフワッとした声が幾多さんの魅力でもあるので、素晴らしいですよね。

miwaさん

miwaさんもガッツリミックスボイスですね。

幾多さんと同じで、地声と裏声がスムーズに繋がっているので声の切り替えが全く目立たず

美しい声色を奏でています。

女性でミックスの習得を目指す人には、まず参考にしてほしいアーティストです。

ミックスボイスとベルティングの違い

ここまで読んで「え？なんか全員裏声っぽい声じゃない？」と思ったかもしれません。

実はその通りで、純粋なミックスボイス単体で歌っているプロ歌手はめちゃくちゃ少ないです。

というのも、ミックスボイス単体だと高音域で爆発的な地声感を出すのが難しいからなんですよね。

これはもう知っているかもですが

ミックスボイスの本来の定義は、”低音の地声と高音の裏声が繋がる声”です。

つまりミックスボイスの高音は「裏声」なんですよ。

裏声は地声に比べて美しいんですが、その分パワフルさに欠けるので、どうしても純粋なミックスボ

イス”だけ”だと地声感溢れる高音を出すのは難しいんです。

じゃあどうすれば？となるんですが、やることは一つで

ベルティングボイスを習得することです。

ベルティングボイスというのは、地声のまま（延長で）高音を出すスキルのことです。

もしかしたらこの声をミックスボイスだと思っていた人も多いと思うんですが、

実はこれがベルティングなんですね。

だから大半のプロシンガーは、曲が一番盛り上がるサビでベルティングを使っています。

（もちろん、柔らかく歌う部分ではミックスも使ってますよ）

ベルティングボイスで歌う歌手

ということで、ここからはベルティングを多用する歌手も見ていきましょう。

Official髭男dism　藤原聡さん

Official 髭男 dismの藤原さんはベルティング発声ですね。

Pretenderのサビのトップの音はC5（hiC）という音で、男性からするとかなり高音なんですが、

藤原さんはしっかりと張りのある美しい声でサラッと歌えています。

これは藤原さんが、地声の延長で高音を出しているからなんですね。

でもこんなことを言うと、「え？藤原さんの高音って柔らかく聞こえるんだけど」と思う人がいると

思います。

実はこれは元々の声質の問題です。声帯がコンパクト（薄めで小さい）ので、

ベルティング発声でもどこか美しさを感じるような声になるんですよね。

だから、彼の美しい声を聴いて「あ、これはミックスなんだな！」と思ってミックスで歌うと死にます。笑

Pretenderのサビをこれだけパワフルに歌うのはベルティングなしではほぼ無理ゲーです。汗

実際に純粋なミックスで歌ってみたんですが、こうなりました。笑

僕はベルティングを習得しているので、多少その成分が混じってしまっているかもですが、

それでもかなり裏声っぽいと思います。

人によっては「それ裏声？」となったと思うんですね。

だからこそ藤原さんみたいに、パワフルかつ美しい高音を出すにはベルティングの習得が必須です。

Mrs. GREEN APPLE　大森さん

ミセスの大森さんもがっつりベルティングですね。

先に紹介した髭男の藤原さんよりも、さらに地声感の強い張りのある高音が特徴的です。

喉のポジションが高めで、少年のような明るい高音が特徴的なので

そこまでパワフルな印象がなかった人もいると思うんですが、実際に大森さんの声をライブで聞くと

度肝を抜かれるほどパワフルです。笑

高音でも地声にしか聞こえない声質、壁にヒビが入るんじゃないか？と思うほどの声量、

倍音豊かな声の厚み、どれをとっても超がつく一流です。

個人的には、ベルティングの一つの完成形が大森さんの発声だと思ってしまうくらい天才的なので

これからベルティングの習得を目指す人は参考にしてみてください。

ONE OK ROCK　Takaさん

ここで紹介したシンガーは、全員それぞれのスキルで一流です。

ぜひ参考にして練習してみてくださいね。

じゃあどうやって、ミックスやベルティングを習得するのか？については、

発声改善ルートで一から分かりやすく説明しているので、ぜひ学んでみてほしいなと思います。

「自分でいうな」と思うかもですが、相当に有料級の情報がぎっしり詰まってます。

ぜひどうぞ。＾＾

それでは、ありがとうございました。